AV業界はなぜ今「健全化」に邁進しているのか 出演強要などに関する相談は増加傾向

拡大
縮小
今年3月に行われたヒューマンライツ・ナウなど支援団体による報告会の様子

アダルトビデオ(AV)出演強要問題が大きな注目を集めている。NPO法人ヒューマンライツ・ナウが今年3月、被害実態を発表したことから社会問題化。政府が調査開始を決めたり、大手AVプロダクションの元社長らが労働者派遣法違反の疑いで逮捕されたりと、大きな動きが続いている。

被害者の支援団体「ライトハウス」と「ポルノ被害と性暴力を考える会(PAPS)」によると、相談件数は増加傾向にあり、2016年は7月段階で前年の62件に並んだ。現行法では救済が難しい場合も多く、支援団体は立法による解決や業界の体質改善を求めている。

現行法では「強要罪」などでの立件は困難

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

支援団体によると、出演強要の被害を訴えても、強姦罪や強要罪などでの立件は難しいという。契約書などによって、同意があったとみなされるからだ。

支援団体は、出演強要問題が大きくクローズアップされる以前から、被害を訴えている女性を伴って警察に相談してきたが、契約書や金銭の受け取りを理由に「門前払い」されることが多かったという。

支援団体は立法により、モデルやタレント募集を偽装した勧誘の禁止や、契約解除・販売停止などを簡便に行えるよう求めている。政府が6月、出演強要の被害実態を調査することを閣議決定したことから、今後、規制が検討される可能性がある。

次ページプロダクションと女優、「対等」は建前?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT