福岡の「水辺改革」始動、第1弾はここが面白い 地味な存在だった「水上公園」が一変!

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西鉄の担当者・花村武志さんと福見美和さん

同年6月、4事業者から選ばれたのが西日本鉄道(通称、西鉄)を代表とするコンソーシアム。西鉄の担当者・花村武志さんと福見美和さんは、決定の内幕をこう振り返る。

「天神から中洲の水辺は、夜は人が来るけれど、朝や昼は賑わいがなかった。朝も昼も夜も、老若男女が気軽に訪れる場所にしたいと考えました。

水辺のロケーションを最大限に生かし、建物のイメージは「世界へ漕ぎ出す、水上の船」に、全体のテーマは『SAILING PARK~世界へ、市民とともに帆をあげて』にしました。限られた敷地を有効活用するため、建物の屋根部分と公園を一体にしたのが特長。公園に建物を建てると公園面積が減るけれど、民間施設の屋根部分まで一般の人が利用できるようにして、公共空間を減らさない策を取った、そこが設計の肝です」

目玉テナントに福岡市の「隠れた名店」も誘致

西日本では初出店となったカジュアルダイニング・billsの店内

船を模した建物「SHIP’S GARDEN」の1階部分には、オーストラリア発のオールデイカジュアルダイニング・billsがオープン。ニューヨークタイムズで「世界一の朝食」と絶賛され、日本で6店舗目、西日本では初の出店だ。

「2テナントのうち1つはグローバルな店にしたくて、水辺にピッタリのbillsさんを誘致しました。模型を見ていただき、コンセプトを説明し、単なる飲食店としてではなく、新しい都市空間を一緒に作ってほしいと何度も口説いた結果、快諾してくれました」

そうして完成した店内は、なるほど、なかなか洗練された雰囲気だ。オープン初日には750人が訪れ、平日でもお客さんがズラリと並んでいる。

開放的な屋上テラスはさまざまなイベント開催も視野に入れている

2階部分には、「ミシュランガイド福岡・佐賀2014特別版」に掲載された福岡市の隠れた名店「星期菜NOODLE & CHINOIS」が出店。香港料理をベースとしており、カジュアルに麺を提供する空間と、優雅にコース料理を楽しめる個室を備えている。オープン初日には、すでに1カ月先までかなり予約が入っているという盛況ぶりだ。

「SHIP’S GARDEN」はガラス張りで1・2階各店にテラスがあり、どこから見ても賑わいを感じられる“裏のないデザイン”だという。また、公園全体に座れる場所が多く、屋根上や階段ベンチはイベント時のステージにもなる。屋根デッキにはコンセントがあり、フラやヨガなどにも使い勝手がいいようになっている。

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