成果が出ない人に教えたい「仕事の断捨離」 「過剰品質」「抱え込み」はこうすれば消える

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たとえば、以下の仕事は分散されがちです。

■ミーティング

相手があってのことなので、すべてまとめてというわけにはいきませんが、調整が可能ならば、ミーティングはできるだけ同じ曜日にまとめた方がよいでしょう。たとえ同じビル内と言えども、前後の移動時間など箱からの出し入れの時間は予想以上に大きいと言えます。ミーティングが中途半端な時間に毎日ポツポツと入っているとそれだけでまとまった時間が削られていきます。私はミーティング調整で候補日を出す際には、空いている日時を出すのではなく、曜日と時間帯を決めて相手に選んでもらい、なるべく分散しないようにしています。

■メールチェック

メールで仕事を分断されている人は多いのではないでしょうか? そんな方にはまずは、メール着信のお知らせをオフにしてしまうことをお勧めします。集中的にメール対応をする時間を決めてしまいましょう。メールは、緊急度や重要度がさまざまなものが混ざっています。メール着信音にいちいち反応して「急ぎじゃないから後で返信しよう」と判断して、元の作業に戻っても、「あれ、何してたんだっけ?」と箱から出す時間がその都度発生して、どうしても作業時間が減ってしまいます。

■仕事のスケジュール管理

今日一日何をするかを毎日決めている人は多いのではないでしょうか? 私も以前は会社で着席してから、「え〜っと、今日は何しよう?」と確認していました。仕事量が少なく、時間もたっぷりあるときはそれでも問題ないのですが、気がつけば締め切りに追われることが多いような場合には、スケジュール管理を「1週間単位」でまとめたほうが効果的ですし、一日のスタートダッシュも早くなります。

■家事

家事と仕事は関係ないようで大きくあります。たとえば献立を考える作業などは毎日に分散していると、かなり時間がかかり仕事の時間にも食い込んでくることも。食材を思い出し、献立を決め、買い物リストをまとめるなど考えることや決めることが続くと「決断疲れ」が起きます。仕事に集中するためには決断機会をできるだけ減らすことも重要です。

4Cの最後、まずは課題設定

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④ Create 課題を設定しやるべきことを決める

さて、今ある仕事を仕分けし、人に割り振り、分散しているものはまとめました。4Cの最後では、いよいよ新しく、やるべき仕事を設定しなおします。

やみくもに新しいことに着手してはいけません。重要なのは、まず「課題」を設定することです。

課題設定とは、「現状とあるべき姿を正確に把握し、あるべき姿になることを阻む根本的な問題を見極めて、あるべき姿に近づける方法を考え出すこと」。

課題を設定することで、本来やらなくてもいい余計な仕事をしなくてすむので、その分の時間をほかの仕事に集中することができます(「課題設定」については、詳しくはこちらの過去記事もご参照ください)。

やるべきこと=課題を設定するには、あるべき姿を決めることがマストです。それをはっきりと明確にすれば、自ずと解決すべき問題や取り組むべきことが見えてきます。仕事を断捨離して、やるべきことを生み出す4C。ぜひ取り組んでみてください。

清水 久三子 アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント

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しみず くみこ / Kumiko Shimizu

アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント
大手アパレル企業を経て1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして新規事業戦略立案・展開プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成し遂げられない」との思いから専門領域を人材育成分野に移し人事・人材育成の戦略策定・制度設計・導入支援などのプロジェクトをリード。コンサルティングサービス&SI事業の人材開発部門リーダーとして5000人のコンサルタント・SEを対象とした人材ビジョン策定、育成プログラム企画・開発・展開を担いベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた

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