「無名中小」が新卒で優秀な人材を集める方法 視点や戦い方を変えれば大企業とも伍せる

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それはどのような学生かといえば、次のような人たちです。

① あまり就職活動に熱心ではない

大学院に進学するつもりだった、海外留学するつもりだった、公務員(教員)を志望していた、起業したいと思っているなどの理由から、就職活動に熱心ではない学生が、毎年、一定数存在します。この種の学生には、ただ「就職活動をしていなかった」というだけで、能力的には、大企業に就職していく人と比べても、何の遜色もない人がたくさんいます。

これらの人たちは、ほかの学生の就職活動が終わってしまった大学4年生(修士2年生) の秋から冬にかけて出現します。したがって、中小企業は春だけで採用活動を終わらせることなく、秋にも再び採用活動をするべきです。

② 志望先を限定しすぎて就職先が決まらなかった

世の中には、(表現が適切ではないかもしれませんが)博打が好きな人とそうでない人がいます。博打が好きな人の特徴は、その思いの強さにあります。本命しか受けないと決めていれば、普段出せない力が本番では出せるだろう、あるいは、自分の人生には妥協したくない、などと考えて自分を追い込んでいるのです。

博打が好きな人たちは、就職活動においても本命しか志望しません。なにがなんでもキャビンアテンダントになるとか、テレビ局のアナウンサーになるとか、新聞記者になるなどといった夢を抱いて就職活動に臨みます。

しかし、どんなに気合いを入れて臨んだとしても、つねに勝てるとは限りません。武運つたなく負けてしまったこれらの人たちが気付いたときには、ほかの大手企業の採用活動は終わってしまっているのです。

これらの人たちも、秋の採用で拾っていくことができます。

春採用よりも「秋採用」に力を入れる

一般に就職活動は、大学4年生(修士2年生)の春に始まって、夏までには終えるものだと思われています。しかし実際には、秋になっても就職活動をしている学生も少なくありません。秋になっても「まだ」就職活動をしている学生という目で見れば、何だか「落ちこぼれ」のようでイメージが悪いのですが、中小企業にとってはそのような学生こそが「お宝人材」になります。

無名中小企業は「秋の採用活動」に力を入れることで、優秀な学生をたくさん採れるようになります。

その第一の理由は、「秋は採用活動をしている会社の数が春に比べて少ないので、競争が激しくない」ことがあげられます。春に採用活動を行うと、他社との競争が激しくて、なかなか学生を獲得できないうえ、 内定辞退が多くて疲弊することがあります。秋の採用活動では、そのようなことが少ないといえます。

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