三陽商会、「バーバリー頼み」の高すぎた代償 後継「マッキントッシュ」不発で社員2割削減
2015年6月、英国ブランド「バーバリー」の製造・国内販売ライセンスを失った三陽商会。それから1年で、同社は希望退職の実施に追い込まれることになった。
会社側は6月24日、全社員の2割弱にあたる約250名の希望退職を行うと発表した。10月中に募集を行い、12月31日を退職日とする予定だ。
同時に2016年1~6月期(第2四半期)の業績見通しの下方修正も公表。売上高は期初予想370億円から335億円に減額。営業赤字も同22億円から55億円へと、赤字幅が大きく膨らむ見通しだ。
バーバリーの駆け込み消費で売り上げが膨らんだ前年同期と比較すると、落差はいっそう激しくなる。前年の2015年1~6月期は売上高553億円、営業利益も77億円と大幅黒字を達成しており、いかに三陽商会が"バーバリー頼み"だったがわかる。
2015年、半世紀にわたる蜜月の終わり
では、なぜ三陽商会は屋台骨のバーバリーを失ってしまったのか。両者の付き合いは1965年の輸入販売開始にまでさかのぼり、その後約半世紀にわたって緊密な関係を維持してきた。
しかし、バーバリーは2000年以降、「ラグジュアリーブランド」としての品質・イメージを世界で統一するため、世界各国で直営化へと舵を切り始める。日本は三陽商会の手によるバーバリー製品が広く定着していたことで最後までライセンスが供与されたエリアだったが、流れにあらがうことはできなかった。
失ったバーバリーの穴を埋めるために三陽商会が後継ブランドに据えたのが、同じ英国ブランドの「マッキントッシュ ロンドン」だ。マッキントッシュは、1823年にチャールズ・マッキントッシュが発明した防水布を使用したゴム引きコートを世に送り出し、英国の高級アウターウェアブランドとして認知されるようになった。
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