わが子を英語ができるように育てるには(上)

日本で学んで達人になる少数派の秘密

教育が、長期的な経済力に大きな影響を与えることは言うまでもない。日本の教育全般は世界でも高い水準を維持している。しかし、英語教育だけはグローバル化の要請に応えることができていない。このまま英語教育を放置すれば、今後の経済に大きな マイナスとなることは確実である。
英語教育の改革をどんどん進め、若者の英語力を高めているアジア諸国に追いつくにはどうすれば良いのか。国家的な問題としての英語教育を考え、具体的かつ即効性のある改善策を模索する。それがこの連載「英語教育2.0」のコンセプトである。
2011年春から、小学5・6年で英語(外国語)の授業が必修化。小学校にもグローバル化の波が押し寄せている(撮影:今祥雄) ※写真と本文は直接関係ありません

日本でも英語はマスターできる

こんにちは、安河内哲也です。今回から3回に分けて、身近な問題に立ち返り、家庭内でどのような英語教育の方針を構築すれば、わが子を英語ができる子供に育てることができるのか、というお話をしたいと思います。

現在、高校卒業時点でいちばん英語が堪能な層は、やはり英語圏やアメリカンスクールで一定期間の教育を受けた層です。しかし、そのような環境で子供に教育を受けさせることは、大きな予算やリスクを伴います。どの家庭にでもできることではないでしょう。

一方、少数ですが、日本で勉強し、日本の大学受験、大学教育を経ても、20歳くらいで英語が堪能になっている「超少数派」の若者がいることも事実です。

さて、今回からの3回は、このような日本で英語ができるようになった超少数派の学生、およびその家庭ではどのように英語と向き合っているのかを研究してみたいと思います。

初回の今回は、具体的な指導方法や学習方法に入る前に、第二言語を習得するための根本的な考え方について述べてみたいと思います。

第二言語の習得を第一言語の習得と区別せよ

まずは根本的な話から始めさせていただきます。外国語ができる人の多くは、どのようにして外国語を習得しているのでしょうか?

母国語を使用するときには「今、未然形を使っている」などと意識せずにコミュニケーションがパッとできますよね。身体技能として素早く言語処理ができるわけです。これは、いわば「自動化された反射神経」です。

英語も母国語である日本語と同じように習得ができるのが本来は理想かもしれません。しかし、母国語の場合、この自動化された能力は、幼い頃から毎日の生活の中で、泣いたり笑ったりしながら、試行錯誤を繰り返し、たいへんな時間をかけて徐々に習得されます。一日10時間以上、10年以上かけて修得するわけです。

「英語学習も文法や記号を使わずに、子供が母国語を学ぶように、自然に習得するべき」という声を耳にすることがあります。しかし、日本語を母語として、日本で暮らしながら、第二言語を自然習得するのは、まず無理な話です。

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