「留職」とは? パナソニックに起きた熱の伝播

ベトナムで見た、ものづくりの底力

日本の新しいロールモデルとなる「新世代リーダー」。その一人が、「新世代リーダー 50人」でも取り上げた、小沼大地さんです。小沼さんは、マッキンゼーを経て、NPO法人クロスフィールズを創設。アジア新興国のNPOへ日本の大企業の社員を送り込む、「留職」プログラムを手掛けています。この連載コラムでは、新世代リーダーの小沼さんに、「留職」とニッポンについて熱く語ってもらいます。

 前回の記事で書いたように、僕は青年海外協力隊やマッキンゼーでの経験を経て、起業を決意した。

2011年5月、僕はついに、共同創業者の松島由佳をはじめとする仲間たちとともに、NPO法人クロスフィールズを創業。「留職」事業を本格的にスタートすることとなる。では、その「留職」事業とはいったい何なのか。今回はそこを詳しく書いていきたいと思う。

現地社会にも企業にもWIN-WINの「留職」モデル

「留職」とは、日本企業の社員が新興国のNPOやNGOに数ヵ月間赴任し、本業のスキルを使って現地の人々とともに社会課題の解決に挑むというプログラムだ。これは、開発途上国の現地社会が抱える課題の解決に貢献できるというだけでなく、企業側にもメリットのあるモデルになっている。

企業側のメリットは大きく3点。まず、「グローバルに活躍できる人材の育成」だ。新興国の社会課題解決の現場にどっぷりと浸かることは、極限状況での武者修行のような経験となる。また留職は「新興国市場の開拓」にもつながる。現地の人々と同じ目線で課題に取り組むことで、留職者は現地のニーズを肌感覚で理解していく。そして最後は「組織の活性化」だ。本業のスキルやリソースを使って現地社会に貢献することは、かかわった社員の働くモチベーションを高めることができる。

では、「留職」によって実際にどんなことが起きるのか。“Panasonic Innovation Volunteer Team(PIVoT)”と銘打って、12年2月に日本企業で初めて「留職」を導入したパナソニック株式会社の事例を紹介したい。

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