億トレーダーはパワースポットを知っている 人形町・末廣神社には成功者が密かに集う
「神様、お願い」。誰でも「困った時の神頼み」は経験があるはずだ。だが、神頼みは何も困ったときや、ぜがひでも願いをかなえたいときだけ、するわけではない。例えば、米国では「祈り」が心を安定させ、物事の成果にも結びつくという研究結果も数多く出ているという。
「生き馬の目を抜く」とまでいわれる、株や為替のマーケットで勝ち続けるためには「冷静さ」こそ、欠かすことのできない要素だ。こうした「結果を出し続ける敏腕トレーダーたち」が通う「金融のパワースポット」が、全国にあるという。「お金持ちが行くところなら、ぜひ行って見たい」ということで、パワースポットを紹介する連載を開始する。
勝運の神「毘沙門天」を祀る末廣神社
初回は、大成功した企業経営者や、億単位のお金をかせぐ株式、為替のトレーダーたちが密かに足を運ぶという東京・人形町にある末廣(すえひろ)神社だ。
都心にありながら、呉服店などの老舗が並ぶ歴史と伝統を感じる「粋」な町、人形町。文豪の谷崎潤一郎生誕の地としても有名であり、近年では外国人観光客の姿も多く見られる人気の町だ。また、水天宮を中心に七福神を祀る八つの神社があり、年末年始には、2時間程度で巡れる参拝コースが多くのひとで賑わう。
その七福神の中では勝運の神とされる毘沙門天が祀られているのが末廣神社だ。慶長元年(1596年)に鎮座し、今年で420年を迎えた。
まず、筆者は鎮座した当時の人形町が「全く開拓されておらず、あたり一帯がアシ(葭、ヨシとも読む)でおおわれた湿地だった」(末廣神社第14代目宮司の服部全純氏)と聞かされ、驚いた。
しかも、知る人ぞ知る話だが、元和三年(1617年)、今は台東区千束にある「『遊郭吉原』が、最初に生まれた場所が、ここ人形町だった」(服部氏)。江戸幕府が人形町の一角にある約5万平方メートルを埋め立て、公認の遊郭を作ったわけだ。現代風に例えるなら、「何もない砂漠の中に作られたラスベガス」のようなイメージである。
服部氏は、「アシともヨシとも読む漢字の『葭』をあてて、最初は葭原と呼ばれていたが、ラッキースポットにしようという意向もあり、『吉原』になった。私が幼い頃にはまだ『よし町』という町名も残っていたが、時代の流れとともに、町名も変わった」と解説してくれた。
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