スズキ、鈴木修会長が燃費不正でCEO職返上  

技術担当副社長は辞任

 6月8日、スズキは、法令違反の方法で燃費試験用データを計測していた問題の責任を明確にするため、鈴木修会長(写真)が兼務していた最高経営責任者(CEO)の職を返上し、技術担当の本田治副社長が辞任する人事を発表した。国交省で5月31日撮影(2016年 ロイター/Issei Kato)

[東京 8日 ロイター] - スズキ<7269.T>は8日、法令違反の方法で燃費試験用データを計測していた問題の責任を明確にするため、鈴木修会長(86)が兼務していた最高経営責任者(CEO)の職を返上し、技術担当の本田治副社長(66)が辞任する人事を発表した。鈴木氏は16年間続けてきたCEO職は手離すが、代表取締役会長の職にはとどまる。いずれの人事も29日付。

鈴木会長は8日夕、再発防止策などを国土交通省へ報告した後に会見し、「再発防止を指導していくことが第一の責務と考え、会長はそのまま続けさせていただく」とする一方、「CEOとして先頭に立つことは新しい人にやっていただきながら、私も反省を込めながら補佐をしていこうと考えた」と説明した。

スズキは同会長が社長就任以来40年近く1人で経営を引っ張ってきたが、昨年6月に長男の鈴木俊宏氏を社長に昇格させ、「チーム経営」に舵を切ったばかり。会長は、売り上げ・企業規模などの点から「私1人で(経営を)見るのは不可能と考えてきた。結果的にこういう問題が出てきたことはその表れだと反省している」と述べ、「私がCEOの時代に起こした大きな問題」との認識から、自ら逃げるのではなく「健全な企業に発展させる基を作ることが必要だ」と語った。

また、「対外的なことは従来通り、私がやらせていただく」としたが、段階的に引き継ぐ意向も示し、トップとしての判断や人事の最終決定、取締役会議長も「CEOがやる」と強調した。次期CEOは29日の株主総会で承認される代表取締役・取締役の中から選ぶ予定で、総会後に開く取締役会で選任する見通し。本田副社長の後任は未定という。

同時に役員報酬の減額も発表。7月以降の月額報酬を会長が6カ月間40%減額、社長は同30%減額などとする。15年度の賞与を代表取締役と取締役は辞退し、専務役員と常務役員は50%減額とした。

スズキが不正にデータ測定したのはOEM(他社ブランドによる生産)車を含む26車種、214万台。5月31日の社内調査報告を受け、同省は同社に責任の明確化や再発防止策などの追加報告を求めていた。同社は今後、役員・従業員に法令順守の意識を高める研修を実施するほか、技術関連の業務監査体制などを強化する。

燃費不正発覚後の三菱自動車<7211.T>は開発部門の改革も狙い、日産自動車<7201.T>との資本業務提携を決めたが、鈴木会長は今後の他社との連携などについて「再発防止のめどが立ったうえでゆっくり考える」と語り、俊宏社長は従来通り自動運転など技術面での共同研究などは考えているが、「この件で業界再編は考えていない」と述べた。

 

(白木真紀 編集:田巻一彦)

関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
行き詰まる東電支援<br>原発最後の選択

賠償費用も廃炉費用も想定から大きく上振れし、東電支援スキームは破綻の瀬戸際。東電の発電所を売却し、その代金を賠償や廃炉費用に充て、東電を送配電会社に再編する構想が浮上。