スズキ・修会長が「行儀の悪い売り方」を反省

「自らまいた種、自分でなりを直していく」

質疑応答では修会長(左)が終始発言、俊宏社長は冒頭のあいさつ以外に目立った発言はなかった(撮影:今井康一)

「冒頭に私のほうからお詫びがございます」

5月10日に開かれたスズキの2016年3月期決算会見。説明に立った経営企画室長を務める長尾正彦取締役常務役員はこう切り出した。

この日、スズキは15時に決算を開示する予定だった。が、なぜか13時半に開示していた。同社は4月1日に発行した新株予約権付社債(転換社債)をシンガポール市場に上場しており、同市場でも決算開示義務がある。東京証券取引所では情報開示の予約登録が可能だが、シンガポール市場には同様の制度がない。それを勘違いして事前にデータを送ったため、予定よりも早く開示されてしまったという。

「急きょ、日本でも開示することになった。今後こういうことがないようにしっかりとやりたい」(長尾取締役)。

インドが牽引、営業益は過去最高

思わぬハプニングはあったものの、決算そのものに大きなサプライズはなかった。2016年3月期は4期連続の増収。売上高こそリーマンショック前の2008年3月期の3.5兆円に届かなかったが、営業利益1953億円(8.9%増)、純益1166億円(20.4%増)はそれぞれ過去最高。従来の会社予想に極めて近い水準だった。

主力の4輪も販売台数は0.2%減の286.1万台とほぼ横ばい。スズキの最大市場であるインドは11.5%増、過去最高の130.5万台を記録したものの、国内の軽やインドネシア、中国がともに2割前後の減少と足を引っ張った。

2輪はインドネシアや中国の不振が響き販売台数は15%減となる149.6万台。2輪事業の営業利益は102億円の赤字(前期は7億円の赤字)に拡大した。

それでも、インドでの売れ筋車種の価格帯が上昇し、欧州でもスズキのカーラインナップの中では比較的大きい車が売れたことで全体業績の採算は向上。原価低減も進み、営業増益を確保した。これに、資本提携解消に伴うVW株の売却益を特別利益に計上したことで純益が膨らんだ。

ちなみに2016年3月期はドルやインドルピーは現地通貨高がプラスに働いたものの、ユーロやその他の新興国通貨は現地通貨安が進んだため、トータルでは29億円の利益マイナス要因だった。

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