1ドル106円台、週明けの日本株は急落へ 6月の米利上げの可能性は「ほぼゼロ」に
シカゴの先物市場では日経平均が1万6200円台に
日本時間3日の21時30分に発表された5月米雇用統計は、典型的な「ネガティブサプライズ」(想定を超えるような悪材料が出たことなどを指す)となった。数字が伝わった瞬間、意表を突かれたというか、誰もが「はぁ?」と思ったことだろう。予想を大幅に下回る結果となったことで、6月に米国が利上げをする可能性はほぼゼロとなった。
利上げ期待が後退したことで、ドルは猛烈に売られ106円台に突入している。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で売買されている日経平均先物は一時1万6200円台まで下落した。3日の日経平均は1万6642円なので400円ほど下落した格好だ。6月は23日に英国でEU離脱の是非を問う国民投票が実施される。もともと市場では、英国がEUを離脱するリスクを警戒していたのだが、思わぬ米雇用統計の発表を受けてドル売りが加速。再び日本株は厳しい局面を迎えることになるのだろうか。筆者は、この状況を打開できるのは、結局は安倍政権の「痛みを伴う構造改革」の実施しかないと考える。
改めて、詳しく見て行こう。米労働省が発表した5月雇用統計で非農業部門雇用者数は、前月比+3.8万人と市場予想+16.0万人を大幅に下回った。伸び率は2010年9月来の低水準だ。加えて、4月分が+16.0万人から+12.3万人、3月分は20.8万人から18.6万人へそれぞれ下方修正された。
なぜこのような市場予想を大幅に下回る結果となったのか。大手電気通信事業者であるベライゾンのストライキの影響がある。この分でおおよそ3.5万人が低下したと見られるが、それでも10万人を割り込む弱い結果だ。一方で失業率は4.7%と予想を下回り、2007年11月以来で最低を記録している。平均時給は前月比+0.2%と、市場予想通り、4月+0.4%から伸びが鈍化した。
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