「”超一流MBA校”で戦う日本人」。第2回目にご登場いただくのは、スタンフォード大学ビジネススクールに留学中の石倉大樹さん(30)。
石倉さんは、大学在学時から、九州大学発のバイオベンチャー企業、アキュメンバイオファーマ(福岡市、鍵本忠尚社長)の創業にかかわり、大学卒業後も同社の国際戦略担当として、日米で活躍。
米フィラデルフィアに駐在していた際、起業家に対する恵まれた環境を目の当たりにし、「起 業するなら次は絶対アメリカで!」と思ったのがMBA留学を志すきっかけとなった。その後、同社を退職し、エムスリー株式会社へ転職。仕事は順調だった が、アメリカで起業する夢をかなえるため、会社を退職し、私費で留学することを決めた。
スタンフォードは、「起業家」を輩出する大学として有名だが、ビジネススクールの卒業生も、およそ16%が、起業家の道を進むという。1年目を終了した夏に起業して、2年目の途中から、卒業後、会社をどうするか、考え始めるのだそうだ。
石倉さんも、2012年夏のインターンシップは、シリコンバレーの製薬会社系ベンチャーキャピタルで働いたが、その後、スタンフォードの同級生と、医療系のベンチャー企業を起業。卒業後は、アメリカに残って起業した会社を続けるか、スタート アップ企業に就職するか、あるいは、日本に帰国するか、3つの選択肢を検討中だ。
「スタンフォードで、人のマネジメントやリーダーシップスキルを日々学んでいる」という石倉さん。MBA留学は、石倉さんの人生をどう変えたのか。世界に変革をもたらす人材を生み出すスタンフォードの授業とは?徹底リポートする。
起業の“修羅場”を予行演習する授業
スタンフォード大学ビジネススクールのカリキュラムは、ソフトスキル(コミュニケーションスキル)に重点が置かれていることが特徴だ。「会社を起業したとき、最も大切なのが人のマネジメントだ」というスタンフォードの姿勢を表している。
ビジネススクールに入学して最初の3カ月は、「ファイナンス」「マーケティング」「会計」などの実務に加え、「リーダーシップ」「倫理」「組織行動」など、リーダーとしての人格を形成するのに役立つソフトスキルを、実践的な演習を取り入れながら、徹底的に学ぶ。
石倉大樹さん(30)が、2011年9月にスタンフォードに入学したとき、まず驚いたのも、俳優塾さながらのロールプレイ演習の多さだった。
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