適切な規制によって金融危機の回避は可能だ

現在の規制ではいまだに不十分

ワシントンにあるFRB本部(写真: ロイター/Kevin Lamarque)

原文はこちら

「昔の方法で戦争を行っている」と軍上層部が指摘され、その方法の見直しを勧められたとしよう。その場合、指摘する側にはどんな心情があるだろうか? 

おそらく、過去と同じ武器や戦闘方法を取るのは間違いだとの認識があり、軍部の士気の変化など、その他の要因には目が届いていないケースも多いのではないだろうか。

同様の状況は、金融危機の回避を使命とする金融当局にも当てはまる。過去の危機に対する認識に沿って規制を設け、その後の大衆心理の変化を見落としてしまい、次の危機への対処に遅れる事態が、現在も続いている。

現在の規制ではいまだ不十分

スイスのバーゼルに本部を置く金融安定理事会(FSB)の最新の進捗報告では、世界の主要24カ国において、経済の安定性を高める金融規制の明確な改善があったとされた。実際、14の規制分野において進展を示す表も公開された。しかし現実には、金融市場は安心できる状況には至っていない。現在の規制では、まだ不十分といえる。

具体例を挙げよう。リーマンショックが起こった2008年以降、一部の国で設けられたMMF(マネーマネジメント・ファンド)の規制がある。多くの国でMMFは個人の資産を管理し、銀行の代替として活用されていた。そのため銀行預金の場合同様、取り付けが発生する可能性もわずかながら抱えていた。

次ページリーマンショックで過剰反応が起きた理由は?
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
人生に差がつく経済学<br>行動経済学で賢くなる!

キャリアでも恋愛・結婚でも役立つ、行動経済学。今年、ノーベル経済学賞を受賞した分野だ。人間の非合理的な行動を説明し、働く人に有益。経済学者とライザップ社長の対談も掲載。