「クールビズ」が就活生に浸透しない根本要因 軽装での訪問を容認する企業も出てきたが…

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就活生向けに暑さを抑える夏用スーツも登場している(記者撮影)

暑い夏が目前に控えている。5月以降、多くの企業がクールビズ期間に入り、服装の軽装化が実施されている。改めて説明する必要もないが、クールビズとは、電力などのエネルギー消費量を減らすために、オフィス内の冷房設定温度を引き上げても快適に過ごせる服装を推奨する運動だ。

今年、環境省が奨励するクールビズ期間は5月1日から9月30日まで。昨年までは10月末までだったので、5月から10月までをクールビズ期間とする企業は多い。2005年に始まってから10年以上が経過し、今やノータイにノージャケットは夏のビジネスマンの日常スタイルとなっている。

クールビズスタイルの定義なく戸惑う就活生

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ビジネスマンの間でクールビズスタイルが定着する一方、就活生のクールビズはあまり浸透していない。HR総研が2015年8月に2016年卒の就活生を対象に行ったアンケートによると、「企業側はクールビズなのに、就活生に対しては服装に関する配慮がなかった」「就活生にもクールビズを許可してほしい」と、不満の声が聞かれる。

経団連の「採用に関する指針」の手引の中では、夏場の服装について「採用選考活動の実施期間において、クールビズ等の取り組みを実施している場合、学生に対して服装の取り扱いを周知する」という文言が毎年入っている。

企業側も対応をとっていないわけではない。「クールビズの服装でお越し下さい」など、事前にアナウンスしている企業は多い。2014年末にマイナビスチューデントが200社の人事担当者を対象にしたアンケートによると、7割強の企業がクールビズスタイルでの就職活動に「問題なし」「積極的に導入を」と理解を示している。だが、経団連の指針通りに夏服の周知を行っている企業は55%。半数近くの企業が服装に関して「特に明示していない」というのが実情だ。

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