苦手意識は損!役に立つ「物理」3つの勘所 インチキ、ウソにだまされない
私たちの日常は物理に支えられている
原子から宇宙までの自然のあらゆる場面には物理の普遍的な法則が関係しています。観察や実験、理論の構築によって自然の法則を明らかにして、科学、技術や文化の礎を築き、その応用を通じて私たちは文明の発展に寄与してきました。私たちの身の回りの電気、交通、医療、情報通信などさまざまな面で日常生活を物理は支えており、物理にまったく関係していない人はいません。
しかし「学生時代に物理が大好きだった!」という声はあまり聞きません。ほとんどの人は中学や高校で物理を学んでいるにもかかわらず「なじみがない」「難しい」「わからない」「苦手だった」という人が多く、その理由は「出てくる概念の抽象度が高い」「式や計算式がさっぱり……」ということが多いようです。
ほとんどの人は物理が関係する時代に生きているのに「私は文系だし、物理なんて社会にでたら使わないよ」「物理の知識なんて物理学の研究者や技術者になる人だけが学んでおけばいいんじゃないの?」という人がいます。それは違います。現代は誰にでも物理の知識と知恵が必要な時代なのです。拙著『大人が知っておきたい物理の常識』の中でも触れている、その理由を3つ紹介しましょう。
~電子レンジで加熱した食品は変質して危険なのか?
電子レンジはもはや現代の生活において欠かせない調理家電器具となっていますが「電子レンジを使って調理した食物は有害である」と考える人が、世の中には一定数いるようです。
電子レンジは、マグネトロンという装置を使って、電子レンジ内に2450MHzの周波数のマイクロ波を発生させています。電子レンジは食品に含まれる水分をマイクロ波によって振動させることにより加熱する仕組みの装置です。
マイクロ波で水分子の熱振動が増える現象は、火を使った加熱の場合とまったく同じです。電磁波が食品を加熱するという「得体の知れなさ」が、電子レンジをなにか有害な物質でできていると思わせているのでしょう。
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