「タイム」が10年連続減収から脱出できたワケ デジタルだけで36%の売上増加

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「Time.com」へ2015年に新規出稿した、もしくは2014年は出稿しなかったが2015年にリピートした広告主は、合計で86に達するとロング氏は語る。2016年は若い女性向けの新規メディア『モットー』もローンチされ、さらなる成長を見込んでいるという。

動画広告

去年タイム社のデジタル広告は36%の成長を見せたが、その大きな要因は動画広告だった。動画広告だけを見るとなんと146%の増加となっている。

その原動力は、アクセスを集められるドナルド・トランプといった、ニュースを騒がせる人物のコンテンツだ。写真撮影中に大きく羽ばたいたタカに驚いて身を伏せるドナルド・トランプのビデオは、なんと56億のインプレッションを叩き出した。

もう少しシリアスなものには「宇宙での1年(A Year in Space)」がある。これは宇宙飛行士スコット・ケリー氏のドキュメンタリー・シリーズであり、ボーイングとレクサスというふたつのスポンサーを獲得できた。

しかし、強力なレガシー・ブランドであるタイム社にとって、デジタルの成長はふたつの側面をもっている。というのもタイム社の収益の約70%は、依然プリントから来ており、デジタルだけでなく多方面のブランドであることを、広告主に覚えておいてもらう必要があるのだ。

「外に出て、ただのニュース週刊誌ではないことを人々に知らせて回らないといけない」と、ロング氏は語った。

Lucia Moses(原文 / 訳:塚本 紺)

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DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

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