「クッキー」は死んだ?生き残るのは何なのか Facebookがアドテクに抱く野望

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デバイスよりピープルなのか?
この記事はデジタルマーケティング戦略に特化したメディア「DIGIDAY[日本版]」(運営:インフォバーン)の提供記事です

フェイスブックは近年、モバイルを中心にデジタル広告事業を拡大してきた。グーグルのダブルクリックに匹敵する広告エコシステムの構築を目指しているのは周知の事実だが、そのために同社が掲げるのが、複数のデバイスを利用する個人を識別するピープルベースドマーケティング(人単位のマーケティング)だ。

特にモバイルの成長著しいアジア太平洋(APAC)に焦点を定めているフェイスブック。同社アドテク責任者のデイビッド・ジャクバウスキー氏は、同地域のネイティブ広告(インフィード広告)を制するかぎは、モバイルエクスペリエンス(モバイル体験)の向上だ、と述べた。

フェイスブックは4月下旬、東京都港区の同社オフィスでパブリッシャー(媒体社)向けアドテクノロジー(アドテク)説明会を開き、ジャクバウスキー氏らが日本の媒体社に同社のアドテクと広告商品について説明した。モバイルアプリへの広告配信網であるフェイスブックオーディエンスネットワーク(FAN)への参加により、媒体社はピープルベースドマーケティングの利点を享受できると訴えた。

消費者のメディア接触は世界的な傾向としてマルチデバイス化している、といえる。

・25%が1日に3台以上のデバイスを利用
・40%以上が行動を完了するまでに複数のデバイスを利用する(米国:Atlas資料『Behind the Buzz: People-Based Marketing Defined』より引用)

 

消費者はさまざまなデバイスから高頻度/少滞在時間でメディア接触を繰り返す傾向が出ている。課題はデバイスごとに行動データが分断されることだ。個人が複数のデバイスを併用しているとき、別々の個人として識別されてしまう。

デバイスよりピープル?

少し極端な例を出すと、ある個人がモバイル、タブレット、ラップトップを併用しているとする。ラップトップでサッカーに関する行動データを残したとする。サッカーなどの行動履歴から、Jリーグを観戦に行く若い男性を想定し、酒類や乗用車の広告が投じられた。しかし、実際には3デバイスの利用者は30代の女性であるときもある。

次ページここでピープルベースドマーケティングが効果を発揮
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