”自分が最後の砦”と思いなさい

正攻法も、参考事例もない世界で働くということ

ベンチャーで働くことはハイリスク、ハイリターン――。こんな定説は、すでに過去のものとなりつつある。長期的に成長が見込まれる業界の、成長の機会が得られるベンチャーで働くことは、キャリアを考える上で、実はリーズナブルな解なのだ。

ベンチャーで働く魅力とは?

ベンチャーと一口に言っても、社員が3~4人のスタートアップ企業を指す人もいれば、Googleのように何万人もの社員がいるインターネット企業を指す人もいる。

本稿では業種、規模にかかわらず、組織にスピード感があり、常に新しいことにチャレンジして飛躍している企業をベンチャーとして話を進めたい。こうした飛躍型企業に入ることで、本稿で紹介するベンチャーで働くメリットを享受することができる。

では、ベンチャーで働くメリットとは何か。私は次の3つだと思っている。1つ目は、常識にとらわれずに、自ら考えて実行できること。2つ目は、年功序列のような意味のない階層、慣習がなく、実力主義なので、成長の機会を得られること。そして3つ目は、社内政治がないこと。「誰が言ったか」より「何を言ったか」で判断される環境で仕事ができる。

1つ目の常識にとらわれない例を挙げよう。DeNAは2004年に「モバオク」というモバイルサービスを立ち上げた。当時はiモード全盛の時代で、キャリアの公式サイトから顧客を誘導するのが業界の常識だった。

キャリアの決めた制約条件や決済手数料に従ってサービス展開せざるをえない状況だったのである。多くの本やマーケティングセミナーでもこの方式が取り上げられ、公式サイトのメニューは過当競争に陥っていた。

そんななか、DeNAはキャリアの公式サイトではなく、勝手サイトとしてモバオクをスタートした。モバイルサイトを大きくしたい、という出発点から真摯に考えていくと、公式サイトの過当競争のなかにいても勝算はなく、勝手サイトで成功することが、勝ち抜く唯一の戦略だとわかる。しかし、従来の大企業では、業界の常識とされる正攻法でなければ提案が通らないことが多い。

大企業の企画やマーケティングの最前線にいる人は、まったく新しい方法のほうにこそ可能性があると思っても、業界の常識、会社の常識、過去の慣習から見ると突飛な案だから上には理解されないだろうと、提案せずに呑み込んでいるケースが多い。

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インテル中興の祖、アンディ・グローブ。数々の英断で、プロセッサー半導体市場で無双の企業を作り上げた。グローブの愛弟子である、インテル全盛期のトップが語る技術経営の神髄。