焦点は“コンプガチャ後”の戦略 グリー、DeNAの正念場
コンプガチャ問題から5カ月。ソーシャルゲーム各社の業績は再び勢いを取り戻している。グリー、DeNAの2012年4~6月期決算では減速したが、両社とも7~9月期以降、回復を見込む。
コンプガチャはガチャという1回300円の「電子くじ」によって特定の数種類のアイテムを全部そろえると、ゲームで使用できる別のアイテムを新たに入手できる仕組みだ。射幸性が高く、消費者庁は「景品表示法上禁止される行為、つまりカード合わせの方法を用いた懸賞による景品類の提供に該当する」(松原仁消費者担当相、当時)と判断。7月1日から規制が始まった。
コンプガチャなき後、ソーシャルゲームの成長を支えているのが、「ボックスガチャ」や「パッケージガチャ」といった新手法のガチャだ。これらは200~300枚の「福袋」から一つひとつアイテムを抜き出すもの。福袋に入っているレアアイテムの枚数をユーザーは事前に見ることができ、アイテムの組み合わせが必要ないため、「景品表示法には抵触しない」(消費者庁表示対策課の片桐一幸課長)とされている。
グリー、DeNAとも5月中にコンプガチャを廃止したが、6月には新手法のガチャを開発。グリーは『ドリランド』や『モンプラ』、DeNAは『怪盗ロワイヤル』や『ワンピースグランドコレクション』など、月商十数億円レベルの主力タイトルに導入している。ゲームを提供するバンダイナムコホールディングスの石川祝男社長は絶好調だった4~6月期決算を、「コンプガチャ廃止の影響をパッケージガチャの導入でカバーした」と語り、新手法のガチャが効果的であることを示した。