最速!7月参院選の気になる「当落」大胆予想 北海道・東北編:焦点は北海道の「3人目」

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その鉢呂氏を再度政界に引っ張り出したのが、民進党の岡田克也代表だ。岡田氏と鉢呂氏はともに1990年の衆院選での初当選組。「2人は親しい関係で、今年1月に岡田氏が鉢呂氏に参院選への出馬を打診。4月の出馬会見にも同席している」と民進党関係者は語る。

しかし連合北海道と道農民連盟はすでに徳永氏の推薦を決めており、鉢呂氏の支援まで手がまわらない。鉢呂氏は党の支援で無党派票の掘り起こしを狙い、選挙が始まると岡田代表は鉢呂氏の応援のために北海道に入る予定だという。

当選可能圏に入るには40万票台後半以上を取得する必要があり、基礎票が20万票台の共産党は届かず。1992年から候補を擁立していない公明党の30万票と鈴木宗男氏が率いる新党大地の20万票は自民党に流れると見られる。

となれば、70万票の自前票に加え、50万票もの「上げ幅」のある自民党が優位か。選挙戦がもっとも激しく展開されると思われるだけに、注目すべき選挙区といえる。

娘ではなく父親との戦いに

青森は現職の山崎力参院議員と田名部匡代氏の事実上の一騎打ち。山崎陣営は、「候補本人には脅威を感じていない、むしろ脅威は父親の匡省氏だ」と危機感を募らせる。

実は山崎氏と匡省氏には、「因縁」がある。ともに自民党系で、匡省氏は選挙による政権交代を目指し、宮沢内閣で農水大臣を務めたものの、1993年には自民党を離党。1994年に新生党を経て新進党に合流している。山崎氏は1995年の参院選で新進党から出馬して初当選。その後、同党を離れて改革クラブなどに参加した。

「改革クラブに参加した青森県の議員は、田名部匡省さん、木村太郎さんと山崎さん。匡省さんが会長を務めるなどして、一致団結していた。最初に自民党に行ったのが木村さんで、その次は山崎さん。匡省さんはとうとう自民党に戻らなかった」(青森県関係者)

一時は体調を崩した匡省氏だが、いまは健康を回復しており、次女の匡代氏のために電話をかけているとか。「匡省さんは参院選を2回やっており、全県選挙は経験済み。さらに元アイスホッケー日本代表監督で、日本体育協会には今も力があり、面倒見もいい」(同上)。実際に新進党時代、農水の部会で匡省氏は「従弟が農業をしたいというから、田んぼを2反とトラクターを買ってやった」と豪快に話していた記憶がある。

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