位置情報技術、スマートフォン、ソーシャルメディア、ゲームなど最新のキーテクノロジーが集結したO2Oに、全く新しい消費行動の予感を感じたからだ。
12年になるとO2Oという言葉はネット企業だけではなく、リアル企業の間にも広まっていった。ソフトバンクの孫正義社長も「O2Oは業界の新しいキーワードだ。O2O市場の圧倒的ナンバーワンを目指す」と声高らかに表明した。
具体的には次のような事例をO2Oとよぶ。
ローソンは、ソーシャルメディアFacebookのクーポンの仕組みを活用して、30万枚の「からあげクン」半額券をたった17時間で配り終えた。店頭での販売は実に6万個を超えた。
からあげと一緒に他の商品も売れたという。店頭やチラシなどで30万枚のクーポンを配っていたら、どれほどの時間やコストがかかることか。ネットの威力を活用し、実店舗に顧客を呼び込んだ好例だ。
ソーシャルグルメサービス「Retty」もO2Oといえる。
Rettyは、自分が訪れた飲食店を投稿して共有できるサービス。友人や嗜好が合う人のおすすめ店舗を見つけて、実際に食事に行くことができる。今後行きたい店舗を登録しておく機能もある。Facebookアカウントで会員登録する利用者が多いため、実名制サービスとなっている。
12年10月、Rettyは国内にとどまらず、米国やシンガポールを始めとする世界展開の計画を発表した。日本発のO2Oベンチャーが、世界規模で挑戦しようとしているのだ。
「ビッグデータ」も絡む
なぜ今、O2Oが本格化しようとしているのか――。
iPhone、Androidなどのスマートフォンの急速な普及と、Facebook、Twitterに代表されるソーシャルメディアの利用者の拡大が、その背景にある。
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