英国紳士、淑女の品格を漂わせるこの制服規制に、1年前からジェンダーフリーを訴える学生連合が改正の要請を出していた。ついに今年、大学側はそれを受理し、8月初旬から新たな規則が採用されることとなった。
これにより、男子学生は女性用のスカートやストッキング、女子学生は男性用のスーツの着用が認められた。850年以上続いた制服規則が改正され、より一層ジェンダーに縛られない学園生活がすべての学生に認められたのだ。
オックスフォード大学は「すべての学生が平等に学園生活を送ってもらうために規制改正の要請に応じた」と簡潔にコメントを出している。
実際の当事者たちは「ただでさえストレスを感じる試験期間中に、他の学生より無駄に多くのストレスを感じることがなくなる」と素直に喜んでいる。直接関係のないほとんどの学生も「性同一性障害の友人が喜んでいるのを見るのは嬉しい」と、好意的に受け止めているようだ。
だが、学生の一部には宗教観や伝統的な考え方から、今回の改正をよく思っていない人も少数だが、いたという。
特に、同大学の学生連合トップでLGBTのキャンペーンメンバーであるライマン・ガムバートン氏によれば「最も悪質だったのはデイリー・メール紙に『オックスフォード大学は女装フェチの男子学生を満足させるため』という風に読める記事が書かれたこと」だという(※デイリー・メール紙とはイギリスで2番目に古いタブロイド紙)。
LGBTの人権問題に対して先進的で、ピンクマネー(ゲイコミュニティーの購買力を示す言葉)が経済を動かす一面もあるイギリスでも、強い批判があることに意外感もあった。だが、それほど学生たちは相手にしていない。
「どこでも批判する人はいる。われわれにはもっと大きな目標があるので相手にしていられない」(学生連合)。
ユニセックス用のトイレを全大学に!
その大きな目標とは何か。同じく名門のケンブリッジ大学と一緒に今後はイギリスの各大学内にユニセックスのトイレをつくっていくことだという。世界で初めて男でも女でもない「中性」を出生届けに表記することを認めたイギリスなら、あっという間に実現してしまうかもしれない。
実は、優秀な人材が多いことで有名な東京大学のLGBTサークルができたキッカケもオックスフォード大学からのLGBTに関係する留学生からだったという。すでに今回の件についても「喜ばしいニュース」だと東大のLGBTサークル関係者は受け止めている。
今回のオックスフォード大学の変革が形になっていけば、日本の大学でも若いLGBT学生を中心に何かしらのアクションが起きるのを、期待している。
さて、次回は「性同一性障害など」から、「ゲイ」に軸足を移し、アジアで活躍する優秀なLGBTの紹介です!
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