40代男性に多い突然死はあなたにもありうる 元気な人ほど自分の健康を過信してはダメだ

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ところが、実際は抗ストレスホルモンを出し続けてきた副腎は疲れ果てて、いつしか、ひそかに血管が弱り始めます。そのタイミングでは、見た目は健康そのものですが、ある日、大きなストレス、ショックな出来事や過労が重なるとき、血管が破裂したり、壊れたりして一気に突然死を引き起こします。仕事を毎日バリバリやっている30代後半から40代半ばくらいの文字どおり一線にいるビジネスマンが最も危険なのです。

ガンは、一気に死に到達するものではないので早期発見で治る可能性も多くありますが、この突然死はある日突然、命に終わりを迎えます。潜病とは身体の不調を伴わない分、気づかれない最も恐ろしいステージです。

不調の前触れもなく命を落とす突然死の実態

私が心血管センターで働いていた時に遭遇した人で、こんな人がいらっしゃいました。36歳男性で、今までに特に大きな病気をしたことはなく、もちろん病院への通院歴もありません。つまり、見た目はいたって健康そうな人です。その人が、ある日、仕事中に外出先で突然倒れ、意識を失いました。すぐさまそばにいた人が心臓マッサージを開始。急いで救急隊が現場に到着した時にはすでに呼吸が止まっており、脈も打っていない、いわば心肺停止状態でした。

その後、懸命の処置で脈が回復、そのまま当センターに救急搬送されてきました。病院到着後、呼吸も止まりかけていたため人工呼吸器を装着し、なんとか心臓は回復したものの、心臓が停止した時間が長かったため、脳へのダメージが甚大で、脳死状態となってしまい、亡くなりました。家族の話では「今までに心臓が苦しい」などの前兆を聞いたことはなかったそうです。つまり、若くしてこの人はなんの病気の前兆もなかったものの、突然心臓が止まってしまう、突然死を起こしたのです。

こうした突然死を防ぐ方法は、大きく2つに分かれます。ひとつは抗ストレスホルモンを十分量体に蓄えておくこと。もうひとつはストレスに負けない強い血管を作ることです。

そのために必要なこと、なおかつ簡単に取り入れられる健康習慣をいくつかご紹介します。

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