現場から悲鳴、日産「軽販売半減」の巨大衝撃

三菱自動車の燃費不正で販社が混乱している

日産の販社の多くが営業担当総出で顧客対応に当たっている(記者撮影)

「まったくの想定外で、とんでもない出来事だ」。首都圏で事業展開している日産自動車の販売会社の社長は、三菱自動車の燃費不正問題を強い口調で憤った。

三菱自動車と日産で共同開発し、日産が販売していた軽自動車の「デイズ」と「デイズルークス」の燃費不正が4月20日に明らかになって以降、日産の全国の販売店では2車種の販売を停止した。4月の日産の軽自動車販売は5574台と前年同月比51.2%減少。軽自動車全体では前年同月比7.5%減で、三菱自動車も44.9%減らしていることから、対象車種の販売停止が大きく響いたといえる。

日産の販売店では4月20日、日産本社からの連絡を受けて、店頭にあった展示車やパンフレット類を全て撤去。ユーザーへの電話や訪問での連絡に追われた。三菱自動車が記者会見を行った翌日に訪れた都内の日産販売店では、営業担当が全員出払っている状態で、メカニックが顧客の対応にあたっている有り様だった。

日産の軽自動車販売は好調だった

日産が「デイズ」と「デイズルークス」を発売したのは、2013年6月。発売後1か月で月間販売目標8千台の4倍近い3万台を受注し、日産の軽自動車史上最高の受注ペースを記録した。2015年度の販売台数は約14万台と発売から2年が経っても勢いを保っており、軽自動車の販売ランキングではホンダ「N-BOX」、ダイハツ「タント」に次ぐ3位に入った。この2車種で日産の国内販売全体の約4分の1を占める稼ぎ頭にまで成長していた。

軽自動車と登録車を合わせた日産の国内シェアは約13%(2015年度)と以前に比べ振るわないが、2%台と主要8社の最下位である三菱自動車に比べれば、はるかに販売力がある。それゆえ、日産が販売した不正対象車両は46万8千台と三菱が販売した「ekワゴン」「ekスペース」の約3倍に上る。台数だけを見れば、販売現場の混乱ぶりは日産の方がより深刻だ。

前出の首都圏の日産販社では、「デイズ」「デイズルークス」は年間販売の17~18%を占めるが、東北や九州といった地方では一家に2台保有という世帯も多く、新車販売の3割から4割を軽自動車が占める販社も珍しくない。東北地方の日産販社社長は、「お客様対応に追われて販売どころではない。お客様をなくさないよう頑張るだけ」と、現場はまさに非常事態モードだ。

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