三菱自動車は25年も不正試験を継続していた 「燃費目標引き上げ」も圧力に
[東京 26日 ロイター] - 三菱自動車<7211.T>は26日、燃費試験用データの不正問題に関する社内調査の結果を国土交通省に報告するとともに、1991年から25年間にわたり法令と異なる方法でデータを計測していたと発表した。対象車種数はなお調査中としている。「eKワゴン」など軽自動車4車種では、燃費目標を達成するため、計測データの改ざんも行っていたこともわかった。
会見した相川哲郎社長は「会社の存続に関わる大きな事案」との認識を示し、全容解明に向けて第三者の弁護士3人からなる特別調査委員会(委員長・渡辺恵一元東京高等検察庁検事長)を設置すると述べた。3カ月をめどに調査結果をまとめる。
今後経営への影響が懸念されるが、同社長は三菱グループへの支援は現時点では「要請していない」とし、「問題の全容が解明されるまで、支援は要請できない」と語った。また、同委員会による調査報告がまとまるまでは「責任を果たす」と強調、原因究明と再発防止を最大の使命として当面は辞任しない考えを示した。
5回の燃費目標引き上げにあわせデータ改ざん
同社によると、eKワゴンなど4車種は13年6月から約62万5000台生産。各車種の中で最も燃費が良い仕様車を使って国交省による燃費試験で使われる「走行抵抗」と呼ばれるデータを計測。その際に、法律の規定とは異なる試験方法を使い、さらに本来は計測データの中央値を国に提出すべきところ、燃費を良く見せるため意図的に有利な数値を出していた。