英国最大の鉄道計画に日立が切り込めたワケ

キーマンを直撃

英国最大の鉄道計画に日立が切り込めたワケ《キーマンを直撃》

今年7月に英国の都市間高速鉄道(IEP)を正式受注した日立製作所。IEPの総事業規模は5500億円で、英国の鉄道史上最大規模となる。運行開始は2017年の予定だ。日立は596両の車両を納入し、30年間のリース事業を手掛ける。英国内に新工場を建設し、車両の現地生産を行う計画である。

まさに「官民一体となったインフラ輸出の成功例」となったわけだが、当初は日立社内でも「世界の鉄道ビッグスリー(カナダのボンバルディア、仏アルストム、独シーメンス)を相手に勝てるはずがない」との見方が大勢だった。

そんな逆境の中、日立はどうやって今回の歴史的受注にこぎ着けたのか。今年8月まで現地で鉄道輸出の最前線に立ってきた植田千秋さん(8月末まで日立レールヨーロッパ会長、9月から日立製作所交通システム社シニアアドバイザー=下写真=)に、インフラ輸出の舞台裏を聞いた。

 

--英国の鉄道輸出プロジェクトはいつ頃、どのようなきっかけで始まったのでしょうか? そこに植田さんがどういう形でかかわってきたのかも含めて教えてください。

英国のプロジェクトを始めたのは1999年。そのときからかかわってきたというか、「やらせてくれ」と言ったのは私のほうなんです。当時、社内でもグローバル化が叫ばれていまして、一方の英国では民営化によって鉄道事情が混乱していた。英国は古い車両が多く、遅延や不良など多くの問題が起きていました。そういうこともあって、ヨーロッパに進出しようということを考えたわけです。

なぜ欧州かというと、世界市場の半分は欧州であるということが1つ。それから、日立の付加価値のある製品が適した市場は欧州ではないか、ということもあって欧州に目をつけました。その中でも、自国以外から鉄道を購入している比率がいちばん高いのが英国であることから、英国に進出しようと考えた。当時の英国は鉄道事情が混乱していましたし、新幹線に代表される日本のシステムの信頼性は世界でも認められていた。競争力ある価格を提示すれば受注は取れるんじゃないかと思ったからです。

 

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