市況悪の逆風下での船出 ついに新日鉄住金が始動

市況悪の逆風下での船出ついに新日鉄住金が始動

巨艦が動き出した。合併により粗鋼生産量でアルセロール・ミタルに次ぐ世界2位。技術と量の総合力で世界最強を目指す新日鉄住金の誕生だ。

友野宏社長は「厳しい状況でのスタートだが、これはかえってよかった。戦略は明確になるし、ベクトルもそろえやすい」と前向きで、筋肉質でいい会社になると抱負を語る。

まさに逆風下の船出だ。新日本製鉄は広畑、堺製鉄所で、住友金属工業は和歌山の高炉で各1200億円の減損を実施。上期にそれぞれ1550億円、1280億円の巨額赤字を計上した。

中国経済が減速する中、現地鉄鋼メーカー中心に増産が続き、供給過剰からアジアの鋼材市況は大きく崩れた。日本勢は需要の強いアジア向け輸出を増やしていたが、この採算が合わなくなっている。

「中国政府も過剰供給は認識していて、『日本は過去どうやってうまく生産調整をやってきたのか』という質問が出るなど意識は十分ある」(経済産業省の山下隆一鉄鋼課長)

確かに、新日鉄の歴史は減産の連続だった。合理化計画の中、釜石や堺、広畑で高炉が消えた。残った高炉は改修時に拡張し、1基につく人員は増やさず生産性を高めてきた。

国内市場も厳しい。輸入材の増加で販価が軟化。高炉各社のマージンの悪化を招いている。その輸入材の7割を占めるのが韓国材である。


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