はとバス「新型2階建て」、欧州製使用の狙い 8000万円で共同開発、25日から運行開始

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はとバスが導入した新型の2階建てバス「アストロメガ」

一般の乗用車やバスとは違った、高い視点からの眺めが楽しめる2階建てバス。観光バスや高速バスとして人気の高い「バスの花形」というイメージがあるが、実は現在、国内の自動車メーカーは2階建てバスの製造を中止している。

そんな中、東京都内を走る観光バスとしておなじみの「はとバス」は4月25日から、新型2階建てバス「アストロメガ」の運行を始める。国内で2階建てバスが製造されていないことから、新車はもちろん「外車」。トラックやバス、船舶用エンジンなどで世界的に知られるスウェーデンのメーカー、スカニア社とベルギーのバスメーカーであるバンホール社、そして、はとバスが共同で開発した。

バスに「外車」が少ないワケ

乗用車では外車は珍しくないが、バスは海外からの輸入車両は決して多くない。主な理由は、車体の寸法などに関する基準の違いだ。ヨーロッパ製のバスは車体幅が日本のバスよりもやや広く、長さも国内の基準より長い場合が多いため、そのままでは運行に特別な許可が必要になる。

また、海外製の場合は国産と比べ、部品の入手などアフターサービスやメンテナンスの点でも不利になりやすい。はとバスでもこれまでに海外製の車両を何台か導入しているが「部品の調達など、修理に時間がかかっていた」という。

国産車の製造がストップして以降、2階建てバスの導入は困難になってしまった。だが、観光客からの2階建てバスの人気は高い。今後も運行を続けるためにはどうすればいいか。そこで、はとバスが導入に踏み切ったのが、今回のアストロメガだ。

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