熊本地震、ブリヂストン熊本工場は再開未定 建屋に目立つ損傷はないが配管補修は必要か

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好業績を続けてきたが、熊本工場の被災で逆風が吹きつけている
被災地域において、企業はどのような被害を受けたのか。そして、どのような対応をしているのか。タイヤ世界首位のブリヂストンは熊本工場が被災。今2016年12月期に最高益更新を見込んでいるが懸念が生じる事態は起きていないか、気になる最新の状況をまとめた。

 

熊本市に隣接する玉名市にあるブリヂストンの熊本工場は、建設機械や農業機械に使うゴムクローラーやゴムホースなどを生産。所属する社員は410人程度、契約スタッフなども含めると500人程度の陣容だ。

相次ぐ余震で再開メド立たず

同工場は14日の地震発生直後から操業を停止中だ。けがなどの人的被害はなく、生産設備の破損もない。建屋も目立った損壊はないというが、配管の補修などは必要とみられる。安全確認、防災確認ができ次第の再稼働を予定しているが、相次ぐ余震があるため、そのたびに安全確認をやり直す作業を繰り返しており、再開時期は未定だという。

また、16日に発生した2回目の大きな地震では、福岡県久留米市でも震度5弱の揺れを観測し、同社の主力タイヤ工場のひとつである久留米工場でも内規に従って一時操業を停止。屋外への避難を行い、安全確認をおこなったが、こちらは16日朝までには稼働を再開している。

両工場には在庫があり、供給者責任は十分に果たせる状況だという。ただ、熊本工場の操業停止は続いており、久留米工場でも新車に装着されるタイヤは、納入先である自動車メーカーの操業停止が長引く事態になれば出荷が停滞する懸念が生じてくる。同社では東京本社と熊本県に対策本部を設置し、今後の対応を進める構えだ。

山内 哲夫 東洋経済 記者

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やまうち てつお / Tetsuo Yamauchi

SI、クラウドサービスなどの業界を担当。

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