佐賀が「東京の大学生」を地域活性に呼ぶ理由 外からの視点で次々明らかになった「問題点」

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4年の小島周作さん(22)は「東京での事前学習では分からなかったことを、地域の人々と接する中で知ることができた。資金的な裏付けがなくても可能な、現実的な計画を提案することを心掛けた」と話した。

旧中原町出身で同大学地域環境科学部長の麻生恵教授(64)は「地方創生には地域の魅力を顕在化して、内外に発信することが必要。今後も地域を元気にする手助けをしたい」と話す。4月中に詳細な報告書をまとめ、県に提出するという。

人が自然に集まる場所を作りたい

子どもたちにおはじきのルールを説明する慶応大生(中央)=基山町の基山SGK交流プラザ

昨年9月に基山町を訪れた慶応大総合政策学部(神奈川県藤沢市)の飯盛義徳教授の研究室に所属する学生のうち3人が、継続して同町のまちづくりに携わっている。3月末にはJRけやき台駅前の「基山SGK交流プラザ」で昔遊びのワークショップを開催。子どもたちと高齢者の絆づくりをプロデュースした。

交流プラザは昨年12月に開所したものの、具体的な催しはまだ少なく、町民への周知もこれから進めていくところ。

そんな状況を聞き、学生たちがワークショップを企画。交流プラザを運営するSGKは経験豊かなシニア世代による団体なので、年配者が子どもたちと一緒に取り組めるけん玉やおはじきなどの昔遊びを選んだ。

当日はお手玉、あやとり、竹馬など11種類のコーナーを準備。それぞれの遊びの説明書も学生たちが用意した。SGKメンバーが指南役兼遊び相手となり、子どもたちと一緒に童心に帰って交流を深めた。

企画した2年の浅上あゆみさん(20)と針沢愛友美さん(20)は「昨年行った提言の中で、人が集まる『まちカフェ』の実施を挙げていた。提案だけでなく実現のために催しを企画した。交流プラザの認知度を上げ、人が自然に集まる場所にしていきたい」と話し、今後もまちづくりを支援していくという。

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