バニラエアはピーチの「物まねLCC」じゃない

新社長が語る展望、台北-東南アジアも就航へ

4月1日に石井知祥前社長(現会長)の後を継いだ五島勝也氏(撮影:梅谷 秀司)
関西国際空港を拠点とするピーチ・アビエーション(ANAホールディングス38%出資)と並ぶ、ANA系のLCC(格安航空会社)といえばバニラエア(ANAHDが全額出資、正式会社名はバニラ・エア)だ。もともとはANAとエアアジアの共同出資だった旧エアアジア・ジャパンの合弁解消を引き継ぐ格好で、成田空港を拠点として2013年末に再出発した。
就航後は思うように乗客を集めることができず搭乗率は低迷。2014年春頃は搭乗率50%台に落ち込み、新機材の導入を凍結するなど迷走もみられた。しかし、その後は路線の再編、サービスの見直し、運航品質の向上による運航率・定時出発率の改善などによって利用者を増やし、搭乗率は年間を通じて8割超えを達成。2015年度は同社初となる黒字化の見通しとなった。就航時に300人程度だった社員も現在では約610人まで拡大した。
そのバニラエアが4月1日でトップ交代した。石井知祥前社長(現会長)の後を継いだのは五島勝也氏。バニラエアの立ち上げ時にANAから出向し、これまで副社長を務めてきた人物だ。石井前社長との二人三脚で厳しい局面を乗り切ってきた。黒字化を達成した今、バニラエアをさらに飛躍させられるのか。五島新社長に聞いた。

 

――黒字化にメドがついたタイミングでの社長就任です。

旧エアアジア・ジャパンの合弁解消からスタートして、これまでのバニラエアは事業再生の中で早期の黒字化を目指してきました。この3年間は事業性を確立するステージでしたが、原油安も追い風となって単年度黒字を達成し、次のステップとして飛躍しなければなりません。

既存の航空会社を入れ替える難しさ

――再出発直後を振り返ると?

ゼロからではなくマイナスからのスタートでした。エアアジアとの合弁解消が2013年6月。私は同8月にANAホールディングス100%出資となった旧エアアジア・ジャパンに副社長として出向の辞令を受けました。

その時点では旧エアアジア・ジャパンは運航を継続していましたが同10月末で運航を終了しつつ、新ブランド(バニラエア)の運航を12月20日から開始することも決まりました。つまり会社をたたみつつ、新会社を立ち上げる準備をしなければならないという同時並行状態だったのです。

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