「バスタ新宿」で新宿南口は何が変わったのか 39都府県を結ぶ「バスの玄関」の裏側

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新宿駅南口にオープンした「バスタ新宿」

「新宿にバスターミナルができるっていうからどこにできるのかと思ったら、こんな立派なビルなのねえ」。新宿駅南口、甲州街道を渡る横断歩道で信号待ちをしていた老婦人はつぶやいた。

新宿駅南口に4月4日、これまで駅周辺に点在していた高速バスターミナルを集結させた交通拠点「バスタ新宿」がオープンした。JRの線路上に広がる人工地盤の上に設けられた施設には118社のバスが乗り入れ、1日に最大1625便のバスが発着するという、日本最大の高速バスターミナルだ。

「バスタ新宿」の愛称は一般公募で選ばれ、バス・タクシーを中心とした複合ターミナルであること、またバス路線が各地に向かって星(スター)のように伸びることなどが理由。バスタ新宿の隣には、建物としては一体化した構造となっている高さ約170m、32階建ての複合ビル「JR新宿ミライナタワー」がそびえ立つ。人工地盤上には、走る列車を見下ろすことができる歩行者広場も誕生し、これまで手狭な印象が拭えなかった新宿南口に新たなスペースが広がった。

全国300都市を結ぶ拠点に

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開業前日の4月3日に開かれたオープニングセレモニー

バスタ新宿開業前日の3日午後に開かれたオープニングセレモニーで、石井啓一国土交通大臣は「全国39都府県300都市を結ぶ拠点として、羽田・成田空港から地方都市をつなぐ中継点として、人やものの流れをつなぐ役割を担う」と述べた。

鉄道では夜行列車が衰退する中、低コストな移動手段として年々利用者数が増加している高速バス。新宿駅南口は、全国300都市とをダイレクトに結ぶきめ細かな交通ネットワークの拠点という、新たな顔を持つことになった。

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