待機児童緊急対策、なぜこうも的外れなのか

選挙対策になってしまっている不幸

待機児童問題を解決するのに本当に必要なのは、保育士の待遇改善だ(写真:よっしー/PIXTA)

「政府の対策は的外れだ。このような内容は、当事者の声を聞いていたら絶対に出てこないはず。まずは保育士の給与を上げないといけないのに、その文字すら含まれていないではないか」

3月29日に開かれた民進党の待機児童緊急対策本部第6回会合で、山尾志桜里同党政調会長は開口一番こう述べた。厚生労働省はその前日、「待機児童解消に向けて緊急的に対処する施策について」を発表したが、その直後に開かれた同党第5回会合でも山尾氏は、「政府はお金を出さないで、保育園の受け入れ数のみ増加させようとしている。しかしこれでは、子どもや両親や保育士に負担がくるばかり」とその内容を批判している。

熱を帯びる「待機児童問題」

子どもを保育園に入れられなかった母親が怒りを込めて書いた「保育園落ちた日本死ね!!!」の匿名ブログは、同じ悩みを抱いた多くの母親たちの共感を呼んだ。2月29日の衆院予算員会で安倍晋三首相に待機児童問題について問いただした山尾氏は、そのような母親たちの意見を代弁したとして、一躍彼女たちの“救世主”になった。

山尾氏自身も5歳の男児の母親で、出産後に赤ちゃんだった長男を衆院第二議員会館にある保育園「キッズスクエア永田町」に預けていた。当初は認証の枠に入れなかったため、「一時預かり」で常時預けるという状態でやりくりしていたという。また何かあった場合にすぐに駆け付けられるように、保育園がある第二議員会館での低層階の部屋の割当を希望した。山尾氏が当選2回にして野党第1党の政調会長に抜擢された背景には、東大卒の元検事という輝かしい経歴だけでなく、衆院議員として多忙を極めながら育児をこなしてきたことへの評価があったのだ。

では、そんな山尾氏が呆れた「緊急対策」の内容とはどういうものなのか。

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