あなたが目標を達成できない根本的な理由 「行動科学」で考えればきっと答えは出る

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「決して自分は早起きもできないなんて意志が弱い」「朝から失敗しているから何事も上手くいかないんだ」というのは認知のゆがみです。

目標達成に、「意志」は関係ありません

世間では、目標を達成する人は「意志」や「根性」があると思われています。本当にそうでしょうか。

たしかに誰よりも勝気な性格で、劣等感をエネルギーに変えて物事を達成する人はいますが、一見成果に繋がっているようで本人は満足していないかもしれません。逆に、慎重に何事も間違えないことを大切にして、徐々に目標を達成する人もいます。どちらの価値観が正しいともいえません。

多くの人は、自分と価値観が違う人を見て、納得できない感情を抱きますが、自分の価値観を変えるのだって難しいのに、相手の「価値観」を変えることなんて不可能に近いです。ただ、自分の行動を変えることはできますし、相手の行動を変える支援もできます。要するに、「人」の感情はコントロールできませんので、何かを手に入れるなど実現したい時は、次のように自分や相手の「行動」に焦点を当ててコントロールしていきます。

■ポイント1 成果に繋がる行動を見つける

誰でも、「意志」や「根性」で物事は続かないということが前提です。そこで、自分の目標達成をするために、「成果に繋がる行動は何か?」を見極めます。

英語学習であれば、

・英会話教材のCDを通勤時間に10分ずつ聞くのを繰り返す

のも具体的な一例です。

体質改善であれば、

・週末に近所の公園で5kmを25分間ジョギングして汗を流す

のも具体的な一例です。

自分の成果に繋がる行動を見つけたら、後はその行動を続けていきます。

■ポイント2 優先順位ではなく、劣後順位を決める

誰でも、物事を達成するために優先順位を付けたがりますが、本当に今の自分に必要な行動だけ選ぶために、成果に繋がらない行動は外します。

英語学習であれば、

・英単語を覚えるのは、後回しにする

という劣後を決める一例です(単語力をあげる場合を除く)。

体質改善であれば、

・筋肉トレーニングは、基礎体力を付けてからする

という劣後を決める一例です(筋力をあげる場合を除く)。

もちろん本当は全て成し遂げた方がいいかもしれません。人はハードルが高い行動は続けるのをやめてしまう習性があるので、乗り越えられそうな行動のみを選んで、大変そうだなーと思う行動は外すという意味です。

■ポイント3 認知の歪みに気を付ける

誰でも、新しい行動を始めると感情がジャマしてきます。「やっぱり必要ないかも」「どうせ自分には無理だ」という心の声です。

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