新入社員は絶対に保険に入ってはいけない! 保険販売員の勧誘は、丁寧に断ろう

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会社を辞めて起業する、あるいは転職するといった自分で明確に自覚できるリスクだけではなく、ほとんど意識されないような小さなリスクも、常に選択しながら生きていくのが社会人の人生です。一般的には、高いリスクを取る人の方がより多くお金を稼ぐ確率が高くなります。企業が利益を拡大するためにリスクを取って投資するのと基本的に同じです。個人の場合も「どのようにお金を稼ぐのか」は「どのようにリスクを選択するのか」と密接にかかわっています。

ところで、「保険はさまざまなリスクを金銭的にヘッジするひとつの手段である」とリスクマネジメントでは教えています。リスクの存在が確認されたときに利用するのが保険です。新入社員の皆さんは社会の入り口に立ったばかりです。これからどのようなリスクに出会うのか、どのようにリスクを選択していくのか、まだ何も見えていません。どこに行くのか、まだ行き先が決まっていないうちに切符を買う人はいないでしょう。保険も同じです。リスクに直面したときに、初めて考えればよいのです。
新社会人の皆さんは、この段階で保険に入ってはいけないのです。

大きな節約は生命保険から考えよ!

「どのようにお金を使うか」も、決して簡単なことではありません。お金を稼ぐことも大変ですが、「使い方」はそれ以上に難しいと言えます。これからしっかり勉強していかねばなりません。

新社会人として特に考えていただきたいのは「(自分という)人的資本への投資」です。若いあなたにとって最大の資産は自分自身だからです。労働市場でのあなたの資産価値を高めるための投資を怠らないようにしましょう。

この「投資」は、自分にかける教育費・教養費だけでなく、健康的な生活を維持する費用も含む大きな意味合いで考えるべきでしょう。年功賃金制が崩れ、「同一労働同一賃金」が徹底されていくこれからの労働市場では、あなたの提供できる価値が報酬とイコールとなってきます。自分の資産価値を上げることなしには、報酬のアップは期待できないということです。厳しいようですが、これがリスクを取らずに大きく稼ぐことのできる確実で効果的な方法なのです。

節約ばかり気にするようなお金の使い方は、若いあなたにはあまりお勧めしません。これから羽ばたこうとしているあなたには、チマチマしたお金の使い方をしてほしくないからです。だからといって、稼いだお金以上に使う、つまり借金することは絶対に避けねばなりません。ここがお金を使うことの難しさです。わずかな初任給のなかでやりくりしながら、自分自身へ投資を続けることは容易なことではありません。

そこでお勧めしたいのが「大きな節約」です。大きな支出項目から節約する方法です。

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