スズキ「イグニス」乗ってわかった本当の実力 このコンパクトカーは侮れない

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スズキの新型車「イグニス」の実力は?(撮影:今井康一)

スズキが2月18日に発売した新型車「イグニス」。2015年秋の東京モーターショーで市販を前提として出品された中の1台だ。コンパクトクロスオーバーと称される独特なスタイルを持ったクルマである。

クルマ自体のコンセプトを優先

イグニスは軽自動車以外の小型車にも大きな力を注いでいこうとするスズキの戦略を象徴するクルマだ。「アルト」の拡大版のようなフォルムと、やや高めの地上高と車高が特徴で、ボディサイズは全長3700mm×全幅1660mm×全高1595mm。スイフトよりも一つ下のクラスとなる。

これぐらいのサイズのクルマだと、機械式の立体駐車場に対応するために車高を1550mm未満にとどめるケースが多いのに、スズキがそうしなかったのは興味深い。それよりもクルマ自体のコンセプトを優先したということだろう。

イグニスが属するAセグメントとも呼ばれる小型車群を見渡すと、トヨタ自動車「パッソ」(ダイハツ工業「ブーン」)や日産自動車「マーチ」、三菱自動車「ミラージュ」など、ライバルはハッチバックばかり。対してスズキは世界的にSUV(スポーツ多目的車)やクロスオーバーと呼ばれる車種の人気が高まっていることを受け、他社がラインナップしていないコンパクトカーとSUVを融合させたイグニスの投入によって、この分野での存在感を高めたいのだろう。

ツートーンルーフが選べる

イグニスは、とてもスズキらしいクルマに仕上がったように思える。どこかで見たような何かを感じると思ったら「セルボ」「エスクード」「スイフト」「フロンテクーペ」など、歴代スズキ車のモチーフをところどころにあしらっているからだ。最新のスズキ車に多く見られるツートーンルーフが選べるのも、イグニスのひとつの特徴といえる。

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