(第33回)イベントを再点検してみよう・その2「印象のいいOB・OG/印象の悪いOB・OG」

✎ 1〜 ✎ 31 ✎ 32 ✎ 33 ✎ 最新
拡大
縮小
(第33回)イベントを再点検してみよう・その2「印象のいいOB・OG/印象の悪いOB・OG」

採用プロドットコム株式会社
 前回は「セミナー・会社説明会」についての学生のコメントを紹介したが、今回は「OB・OG」「リクルーター」に関する学生の生々しいコメントをもとに、学生と接する社員が注意すべき点を探ってみたい。リクルーター研修の材料としていただければ幸いである。

●好印象のOB・OGとはどんなタイプか

 以下は、採用プロドットコムと楽天(みんなの就職活動日記)の共同調査における、「OB・OG訪問の有無にかぎらず、あなたが就職活動中に対応してもらった社員・リクルーターのなかで、印象の良かった企業1社とその理由」を問うた際の回答の一部である。社名については伏せさせていただく。
・会社の良いところと悪いところを率直に活かしてくれ、対応が親身でとても印象がよかった。
・1年目の社員と直接会わせてくれ、1対1で、接してくれた。
・学生の立場になって、どんな時でも相談に乗ってくれけた。面接前日などは遅くなっても繋がるまで連絡をくれ、アドバイスをしてくれた。
・一つひとつの質問に曖昧な答えはほぼなく、社員個人としての考えを自分なりに答えてくれた。
・親身になって接してくれた上に、就職活動のノウハウや自分にふさわしい自己PRの仕方を教えてもらった。それを参考にして選考に進んだ結果、見事に第1志望の会社から内定をもらえた。
・OBの方が学校まで出向き、面接でのアドバイスを直接教えてくれた。
・学生一人のために工場見学の時間をわざわざ作り、半日間つきっきりで工場を案内してくれた。常に迅速に対応してくれてありがたかった。
・何度もエントリーシートを見てくれ、訂正なども5、6回行ってくれた。面接対策、志望理由の書き方など、丁寧に教えてくれた。
・受付から電話連絡まで社員の対応が丁寧。
・会社側からOB・OG訪問を設定してくれた。
・選考を合格するごとにリクルーターがメールで励ましてくれて、元気をもらった。
・何でも聞いていいという雰囲気で、本当に話しやすかった。
・選考を通じて同じサポーターの方がついて、親身にアドバイスしてくれた。
・とても気さくなリクルーターで、何でも話しをしてくれた。その人と出会わなければ、多分本エントリーすらしなかったかもしれない。
・しっかり名前を覚えてくれるなど、配慮が良かった。
・社員一人ひとりが明確なビジョンを持っていた。学生への対応がとても丁寧だった。
・かなり熱い思いを感じた。
・説明会の進行の中で、冗談を交えつつ、緊張をほぐそうとしてくれた。
・はつらつ、生き生きとしていて、憧れるような人ばかりだった。積極的に声をかけてくれ、話している間も笑顔が絶えることがなかった。
・丁寧な対応はもちろんだが、常に学生のことをよく考えてくれていることが伝わった。多くの企業が学生に対して強気で接してきたが、腰が低くとても気持ちがよかった。
・内々定をもらった後にも、リクルーターを付けてくれた、気軽に質問できる先輩社員がいることはとても有難かった。
・対等な立場で話してくれた。
・説明会、面接ともに、とても親切に対応してくれた。次の選考のアドバイスをくれ、「自分を見てくれている」ことが実感できた。
・学生を放っておくのではなく積極的に話しかけてくれた。
・学生一人ひとりに特別感を持たせる演出が限りなく上手く、社員に惚れさせられた。控え室ではリクルーター数人が1時間近く激励してくれ、彼らのためにも絶対に落ちられない、と意気込めた。
・エントリー直後から内々定後のフォローまで、OBリクルーターに一貫して面倒をみてもらった。何人かと会ったが、どの方もとても印象がよかった。最終的にこの会社にしようと決断する際の決め手になった。
 これらのコメントから導き出されるキーワードは、(1)丁寧・親身、(2)就活相談、(3)1対1、(4)対等、(5)共感だ。
 受付時や電話連絡時にぞんざいな対応をしないこと、学生のどんな質問に対しても丁寧に回答してあげることがまずは基本といえよう。緊張をほぐしてあげたり、学生からの質問を待つのではなく、こちら側から声をかけてあげることなども効果的といえる。また、個人情報保護の観点から、大学の就職部・キャリアセンターでは学生に対してOB・OG名簿が非開示にされるケースが増え、学生はOB・OG訪問のルートを探すことが困難になってきている。最近では、企業側から学生にOB・OGを案内してあげる例も出てきている。なかでも、大学を問わず、気になる職場の社員にネット上から訪問予約ができるサービスは、就活学生に人気が高い。
 セミナーでは聞ききれなかった会社のこと、仕事内容のことはもちろん、就活に関する相談に乗ってもらえることもポイントが高い。相談の範囲は、その企業の面接やエントリーシートに止まらず、自己分析や併願先企業にまで及ぶこともある。「人生の相談をしてもらった」と総合商社のOBを評したコメントもあった。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT