アシスト、ライズ、アドバンス、サンライズ――。これは日本で登記されている会社に多い社名だ。
政府の統計によると、日本には規模の大小を合わせて約410万の企業(法人)がある。その法人登記にまつわる「法人番号データ」を国税庁が昨年秋から一般に公開している。毎日メンテナンスされており、誰でもダウンロードが可能だが、膨大な件数のため、なかなか一般的には集計・加工が難しい。
東洋経済は『会社四季報』に収載される約3600社の上場企業のさまざまな財務をはじめとする各種情報、業績予想などのほか、海外進出企業や有力な未上場企業、大型小売店・スーパー、地方自治体、大学などのデータを日々集計・加工・販売し、「東洋経済データベースサービス」として展開している。
「法人番号データ」を東洋経済が独自に集計
その東洋経済のデータノウハウを生かして、法人番号データから日本で多く登記されている社名を独自に集計、上位1000のランキングを作成した。データは2月中旬時点のものだ。
株式会社、有限会社などを含めて集計したところ、日本で最も多いのは「アシスト」という社名だということがわかった。日本にアシストという会社は1051社もある。2位はライズ(965社)、3位アドバンス(899社)、4位サンライズ(846社)、5位トラスト(790社)などと続く。これらは社名に一部含まれているということではなく、そのものの社名だ。
上位はカタカナのみの社名が多く、漢字で最も多いのは19位の大和(486社)。「だいわ」「やまと」などと読み仮名はバラバラかもしれない。ほかには、26位の三和(419社)も目に付いた。ひらがなのみの社名だと25位のひまわり(427社)が最多で、27位さくら(414社)よりも多い。
いわゆる人の名字が付く社名で最多は53位の鈴木商店(325社)。田中、高橋、佐藤、伊藤、加藤、中村、山本、吉田などといったポピュラーな名字に商店、建設、工業、産業などを組み合わせた社名が多い。
上位にみられるカタカナのキーワードは日本人にとって親しみやすいのだろう。こうしたポピュラーなワードが一部に使われている社名もよく見かける。1位のアシストと2位のライズを組み合わせた「アシストライズ」という会社はあるのかと思って、ネット検索してみたらやはり存在した。
こうした日本に登記が多い社名の会社同士で一緒に仕事をしたり、競合したりすることも場合によってあるのかもしれない。同じ会社の企業が不祥事を起こしたり、破綻したりしたら間違われることもあるのかもしれない――などとこのランキングを眺めると、さまざまな妄想ができる。