『リクルートの女性力』を書いた福西七重氏(ナナ・コーポレート・コミュニケーション代表取締役)に聞く

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『リクルートの女性力』を書いた福西七重氏(ナナ・コーポレート・コミュニケーション代表取締役)に聞く

「女性力」で成長を続けるリクルート。人材を生み続ける「生命力の秘密」は存外単純だという。同社「社内報」編集長26年の著者に女性力の「神髄」を聞いた。

--女性力の本を執筆とは、持論と違うのでは。

私は本来、男だからとか女だからとかといった分け方をしない。むしろ個人差だと思っている。出版社から提案があったとき、女性に焦点を当てるのかと、二の足を踏んだ。ただ、求めに応じて書いてみるとリクルートという会社の不思議さを改めて感じた。

リクルートは来年創業50年、最初から男女とも給料は一緒、昇進機会は一緒で、差別なし。むしろ女性とアルバイターでもっているといわれたほどで、だれにも仕事をいっぱいやらせてくれる。

男女雇用機会均等法ができたときに、仲間と顔を見合わせて思わず笑ってしまった。こんなの創業時からやっているよねって。

--創業5年目の初の新卒採用に応募殺到、テスト成績上位100人のうち95人が女性だったとか。

「無名」時代から女性の働く場をつくることを心掛けていた。優秀な男性はなかなか来てくれない、女性はまだまだ行く場所が少ないから受けに来る。

--先行例として中小企業にとって女性活用のヒントになります。

中小企業では仕事がついつい男性が主になっていて、女性はそれのサブみたいな形をとりがち。これでは、女性をうまく活用したいと思ってもなかなかそうはいかない。男女でそんなに力が変わるわけではないのに。

女子社員を信じないといけない。女の子だからできないというのではなくて、やらせれば結構みんなできる。やらせないで、どうせできないとか、うちの女子社員はだめだとか言っている。中小企業ほど女性をもっと活用したらいい。仕事をいっぱい与えて学ばせて、そして成果が出たらほめてあげる。

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