シャラポワ薬物、なぜ企業の対応が早いのか

「疑わしきは罰」という姿勢強める企業

4大大会をこれまで5度制覇しているシャラポワは、糖尿病とマグネシウム欠乏症の治療のため、メルドニウムという薬物を使用していたと説明。この薬物は今年から世界反ドーピング機関(WADA)により禁止薬物に指定されていた。過失が認められない場合や故意でないとみなされれば軽減されるものの、4年の出場停止処分を科される可能性がある。

スポーツウエア大手のナイキ、ドイツ高級車のポルシェはスポンサー契約を一時停止。一方、スイスの高級時計メーカー、タグ・ホイヤーは、シャラポワの会見を受けて12月に切れた契約を更新するための話し合いを打ち切ると発表した。

スポンサーが個人の選手やチームと関係を続けるかどうかの判断はカネ次第だと、業界関係者は話す。事業がそれでもうまくいくと思えば、企業は選手やスポーツ団体の側に立ち続ける。多くの企業が、スキャンダルを経験した国際サッカー連盟(FIFA)や国際オリンピック委員会(IOC)と関係を維持している。

第二のチャンス

業界幹部は、シャラポワがすぐに謝罪会見を開いたことは賢い選択だったと認めている。その結果、シャラポワは世間とスポンサーから第二のチャンスを得られる可能性が高まったという。

とはいえ、試合への長期間の出場停止は実質的にシャラポワの現役生活に終止符を打ち、最も高額な本業外所得を稼ぐ女性アスリートの一人としての地位を損なう恐れがある。米経済誌フォーブスの試算では、シャラポワのコート外収入は通算2億ドル以上となっている。

「多くの点で、彼女はブランドにとって理想の広告塔だ。とても魅力的だし、大成功をおさめ、競争力が非常に高い」と、サンディエゴ州立大学のマーケティング学教授、ジョージ・ベルチ氏は指摘する。

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