川添高志・ケアプロ社長--日本の健康診断費をワンコインにする男


 「きちんと自分の健康状態を知って予防していれば病気は防げる。やはり、予防医療が必要だ」と、川添は確信した。

「そんないいサービスがあるなら、自分は病気にかからなかった。ぜひ実現してほしい」。起業の後押しをしてくれたのも入院患者たちだ。行政書士に、銀行員に、インテリアデザイナー。「起業の相談をすると、会社の登記の仕方から資金調達の方法、店のレイアウトなどいろんなことを教えてくれた」。そこで得た知恵や知識が、経営に少なからず生かされていると言う。 

もっとも、健診ビジネスの実現には、非常に高いハードルがあった。採血の問題だ。血糖値、中性脂肪、総コレステロールの検査には血液が必要となる。だが、第三者が採血すると医療行為となり、医師法などに違反する。看護師資格を持っていても、医師の指示が欠かせない。

どうすれば、医者の手を借りずに採血ができるのか。川添は保健所や都の医療担当部署、厚生労働省へ相談に足を運んだ。ビジネスの概要を伝え、必死に可能性を探る。だが、戻ってくるのは「前例がない」とのお役所返事。

そこで、川添は奥の手を出した。健診の利用者自ら採血すればいい--。

大学2年生の病院実習で、糖尿病の患者が自己採血で血糖測定をしていたのを見ていたのだ。自己採血は医療行為には当たらない。保健所などにも問題にならないことを確認した。

こうして完成したのが、ケアプロのビジネスモデル。血液検査をする場合は、小指大の使い捨て針を使う。消毒した後、看護師の指示に従って、器具を指に押し当て、ボタンを押す。すると針が飛び出して小さな穴が開く。そこから絞り出した血を試験紙にしみ込ませ、検査器具に入れれば、結果が出てくる。

関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
アジアから訪日客が殺到<br>大阪・ミナミの熱気と困惑

4年で5倍に外国人観光客が増えた大阪。中でも道頓堀や心斎橋など大阪・ミナミの中心エリアにアジアからの訪日客が押し寄せている。リピート客も多い。ミナミの魅力に迫る。