日米株式市場は徐々に悲観論が弱まってきた

日経平均株価は1万7000円の値固めとなる

米国で相次ぎ発表された経済指標を受け、先行きへの懸念が和らいでいる(写真:ロイター/アフロ)

先週の国内株式市場では、明るい見方を唱える向きが多かったようだ。そうした楽観派の根拠としては、「しばらく膠着状況だった日経平均が、3月2日(水)に前日比600円以上上げて、上昇に弾みが付き始めた」「節目の25日移動平均線を上抜けた」といったものが挙げられている。ただ、こうした値動きだけを見ている向きは、日経平均の大幅反落が短期的にでもあれば「下落に弾みが付き始めた」とか、節目とされる価格を下抜ければ「これで下落トレンドに入った」と、平然と宗旨替えをしかねない。

筆者は、1~2月の主要国の株価下落は行き過ぎた悲観論による売られ過ぎであり、そこから適正水準への回帰過程にある、と考えている。先週は、その流れの中の動きだろう。筆者が講師を務めるセミナーで「馬渕さんは当面株価の上昇を予想していますが、上昇するきっかけは何ですか?」という質問を多くいただくが、特にきっかけはない。何か新しい材料がなければ株価が上がらないのではなく、何もなくても、正常過程への復帰は遅かれ早かれ生じるものだ。

市場が勝手に大きく変動している

とはいうものの、先週の国内株価の上昇が強めに表れたことの背景には、いくつかの要因があった。一つは、米国経済に対する過度の悲観論が薄らいだことだ。前述の3月2日(水)の日経平均の600円超の上昇は、前日3月1日(火)に発表された米ISM製造業指数が、1月分の48.2から2月分は49.5に改善し、それを受けて米国の主要な株価指数が前日比2%超の上昇を見せたことが大きいと言われている。また、週末3月4日(金)の2月分の米雇用統計も、非農業部門雇用者数は前月比で24.2万人増と、強い数値となった(ただし、時間当たり賃金が前月から小幅ながら減少したため、市場への好影響は限定的)。

ただ、1~2月にリセッションに向けて猛進していた米国経済が、3月になって一気に景気回復まっしぐら、となっているわけではない。筆者はテレビ東京の「チャージ730!」に時折出演させていただいているが、最近の株価や円相場の波乱を題材にした、街頭インタビューのビデオで、「なぜ世界の経済がこんなに変動しているのか、まったくわかりません」と、困惑顔で語る男性がいた。それを受けてスタジオで、「経済が大きく変動しているわけではありません。経済はあまり動いていないのに、市場が勝手に大きく変動しているのです」と述べた。

米国の経済統計が発表されるたびに、一喜一憂しても仕方がない。経済統計がすべて強いものばかりとか、弱いものばかり、ということはない。いつでも、強弱は入り混じる。現局面では、大きな流れで、米国経済が緩やかだが着実な回復軌道にあることを捉えるべきだろう。

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