無人タクシーが日本の公道を走る日は来るか 2020年の事業化へ実証実験スタート

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初日はあいにくの空模様だったが、実験そのものは順調な滑り出しを見せた(撮影:鈴木紳平)

一般客を乗せた自動走行車が、藤沢市内を駆け抜けた――。2月29日、神奈川県藤沢市で自動走行車を使った交通サービスの実証実験が始まった。一般市民を乗せた自動走行車が公道を走る実証実験は日本で初めて、世界でも珍しい取り組みとなる。

実証実験を行うロボットタクシー社の中島宏社長は、その狙いをこのように語る。「実際の買い物シーンを想定して乗ってもらう。その感想を今後のサービス開発に反映させていきたい」。

会社設立から1年足らずで実証実験

同社は、DeNAが66.6%、ロボットベンチャーのZMPが33.4%を出資する合弁会社。2020年に、ドライバーを不要とする自動走行車を使った交通サービスの事業化を目指している。昨年5月の合弁設立から1年も経たないうちに、公道で一般市民を乗せた実証実験までこぎ着けた。

この実験は、近辺に住む10組の家族を対象に、2月29日から3月11日の平日に実施される。自宅から大型スーパーのイオンを往復する間、自動走行が可能な全長2.4キロメートルの直線コースを自動運転コースに切り替えて走行する。自宅付近などコース外の道路や乗降時は、運転手が手動で運転することになっている。

モニターとして乗車したイオン藤沢店の嶋内久美子店長によると、「手動から自動運転の切り替えが予想以上にスムーズで、どこで切り替わったのかわからなかった」という。

ロボットタクシーの車両は、トヨタ自動車の「エスティマ」を改造したもの。車内にGPS(全地球測位システム)やAI(人工知能)、ミリ波レーダー、カメラなどを搭載している。「画像認識技術が優れており、道路上の白線や黄線、障害物を感知することで無人運転が可能になる」(ロボットタクシーの谷口恒会長)。

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