「トヨタ生産方式だから災害に弱い」は本当か

理想的な生産態勢を目指すがゆえに

トヨタ生産方式の弱点を考える(撮影:鈴木 紳平)

グループ会社である愛知製鋼の知多工場(愛知県東海市)で1月に起きた爆発事故が原因で、トヨタ自動車が2月8日から約1週間にわたって、国内工場における完成車生産の停止を強いられるという事態が起きました。2月8日(月)は国内16全工場が停止。その後、15日(月)に稼働を再開したものの、この影響で7万~8万台の生産ができなかったようです。

愛知製鋼は1月に知多工場で爆発事故を起こし、その復旧作業に手間取ったことで、トヨタに納入される特殊鋼が足りなくなってしまったとみられます。トヨタは、別の鉄鋼会社に代替生産を引き受けてもらって生産再開にこぎ着けたようです。

トヨタがこれほど大規模な生産停止に追い込まれたのは、2011年3月の東日本大震災以来です。このときも10日程度の停止を強いられ、その後も完全に生産力を回復するには3カ月以上を要しました。1995年1月の阪神大震災以後、このような大規模な生産停止は今回で6回目です。

サプライチェーンの一つが全体に影響を及ぼす

大地震のような避けようのない自然災害は致し方ないとしても、トヨタは1997年に主要子会社のアイシン精機の工場が火事に見舞われたときも3日間の操業停止に追い込まれるなど、国内のみならず、全世界に張り巡らされたサプライチェーンのどこかで起きた個別の異常事態が、全体へ大きな影響を与えることがあります。

カンバン方式で有名なトヨタ生産方式は、部材の在庫を極力削減して、スリムな経営を目指すということで知られています。しかし、実需に対する調達が基本となるほど部材の在庫が少ないということは、逆に下請けであっても重要部材に予期せぬ供給途絶が起こったとき、このような操業停止を行わざるをえなくなります。

トヨタ生産方式は、このような突発事故に弱いように見えます。ただし、逆にこれは強みの裏返しでもあります。

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