JR北海道「再生」のために必要な施策とは何か

3月の新幹線開業後も経営課題は山積

新雪が積もった早朝、朝焼けを背に札幌の通勤輸送に活躍する733系電車。北海道の自然環境は厳しい(撮影:塩塚陽介)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2016年4月号「JR北海道 再生への道のり」の一部を抜粋して掲載します。

 

2011年5月、石勝線のトンネルで特急列車が全焼する脱線火災事故が起きた。死者こそ出さなかったが、会社を危うくする重大事故であった。2013年4~7月にも、特急列車のエンジンや配電盤等からの発煙や出火、続いて9月には函館本線大沼駅でコンテナ貨物列車が脱線した。

その原因として規程どおりの軌道管理が行われず放置されていたばかりか、監査を前にして検査データの異常値を改竄していたことが発覚。これを契機に調査をしたところ、道内各地で過去から横行していたことまでが次々に露呈した。

この異常事態は、企業自体に安全軽視の体質があり、鉄道事業者として基本的な資質を一から問うべきと、経営姿勢まで踏み込んで批判された。国土交通省からは、二度の事業改善命令とJR会社法に基づく初の監督命令が出され、「JR北海道が講ずべき措置」が示された。

その内容において最も大きなポイントとなるのは、直近の5年間で急ぎ取り組む計画の立案、一連の出来事により信頼性は薄れていることから第三者が監視やアドバイスを行う安全対策監視委員会の設置が求められた点である。

経営陣を刷新

第三者委員会は2014年6月、「JR北海道再生推進会議」として設置され、1年後の2015年6月に「JR北海道再生のための提言書」がJR北海道へと提出された。この提言が、以後のJR北海道の安全向上策や経営方針の骨子になる。

一方、こうした批判や命令を受けたJR北海道は企業の再生面でも2014年4月に経営陣を刷新。常務の島田修氏が社長に就くとともに、会長には元JR東日本の常務取締役で、JR東日本等の線路や設備工事を手掛ける東鉄工業株式会社の社長を務めた須田征男氏を迎えた。そして、同年12月までに「事業改善命令・監督命令による措置を講ずるための計画」を立て、2015年3月に「安全投資と修繕に関する5年間の計画」をまとめた。

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