映画版「路線バスの旅」はどこまでガチなのか

言葉の壁と台風に見舞われ大波乱の台湾縦断

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台風のすさまじさを物語る折れた木々の間を歩く3人 ©2015「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE」製作委員会

台風の襲来による「危機」は、映画の宣伝でも触れられている本作品のヤマ場だ。このアクシデントがストーリーに起伏を生んでいるが、逆にもし台風などに見舞われず、スムーズな旅だったとしたらどのような作品になったのだろうか。

鹿島さんは「それはいつもの国内でも同じ」という。「とにかく3泊4日でゴールをひたすら目指すので、下手すると乗って降りてゴールして終わりという素材しか残らない可能性もあるんです。でも、そうは終わらないのがこのシリーズなんで。ここに寄ってくれとか、こんなエピソードをつくろうとかは一切やりません。とにかく3人が自分たちで考えてゴールを目指す、そこにドラマが必ず生まれる」。

映画のために「お話」を作るようなことはせず、3人が見知らぬ土地で悪戦苦闘しながらバスを乗り継いでひたすら目的地を目指すこと自体がさまざまなエピソードを生むのだという。

台湾は「バス王国」だった

台湾の交通機関というと「台湾新幹線」に代表される鉄道に注目が集まるが、バス路線も非常に発達しており「今の日本よりバス事情は充実している」という。「市町村レベルでバス会社がたくさんあるんです。田舎でも一日に数本しかないところに出くわすこともそんなになかった」と鹿島さん。

このため「(ロケハンで想定していたルートと)ずれていっても行き方がいくつもあった」という。さらに、全国どのバスでも支払いはICカード。「現金で払っている人は(全行程を通じて)1人ぐらいしか見なかった」という。

だが、それでも一筋縄ではいかないのが異国での「路線バス乗り継ぎ」だ。バス事情が充実しているだけに利用者数は多い。バス車内には3人のほか、通訳とカメラマン、音声スタッフ、ADと鹿島さんの計8人が乗って撮影を行うため「バスが混んじゃって大変なこともありましたね」と鹿島さんはいう。

映画では3人が乗る車内のシーンのほか、台湾の風景の中をバスが走るシーンもあるが、基本的には実際に3人が乗っているバスを撮影している。どのバスに乗るかは3人が選ぶため、事前のロケハンなどは不可能。それでも「田舎にいくとそれほど道の選択肢もないので、運転手に通る道を聞くなりして車で先行して撮っています」。出演者だけでなく、走行シーンを撮影するスタッフもガチンコ勝負なのだ。

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