デキる就活生は「海外留学」をどう生かすのか 人事担当者は留学生のここを評価している!

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実際、就職サイト「マイナビ」が昨年10月に新卒採用実績のある企業2716社を対象に行った「2016年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」によると、留学経験者を採用した上場企業は全体の19.3%と、実に5社に1社に上る。

EFが6カ月未満の留学を経験した学生たちに調査を行ったところ、学生自身も留学によって自信を得ていることがわかる。2014年1月~12月に留学から帰国した学生134人に調査したところ、70%以上の学生たちが海外生活を通じて「自立心が向上した」と回答したほか、就職活動の面接でも重要視される「発信力」についても60%の学生が向上したと回答した。

また、45%の学生が留学を通じ「将来のキャリアが明確になった、または変わった」という。言い換えれば、留学を経験した学生の約半数は就職活動前に明確なキャリアのビジョンを得ているということになり、これがエントリーシートや面談の際に大きな利点となったのではないか。

一方、EFが公式ツイッターアカウントを通じて行った調査でも、回答者599人の67%が「就職活動に留学経験は必要」と答えており、その理由として「グローバルチームでの活躍が期待できるから」と回答している。海外の語学学校や大学の講義は、日本とは異なり、ワークショップやチームアクティビティなどが中心で、ほかの国や地域の人たちと一緒にチームを組んでプロジェクトを進める際の基礎力が養われると考えられる。また、「日本とは違う文化や習慣が世界には存在する」ということを知ることは、グローバルな環境でビジネスに携わっていくうえで必要な要素になるのではないか。

留学目的が「就職」では失敗する

では、就職に有利に働く留学をするためにはどうしたらいいか。そのカギは「就職を意識しすぎないこと」にあるといっていい。つまり、留学の目的が「就職」であってはならない、ということだ。

留学生の就職活動をサポートする『マイナビ国際派就職』の辻直子編集長によると、「人事担当者が海外留学経験を持つ学生を評価しているのは、海外に飛び出す勇気と海外で四苦八苦もがいた経験、そして帰国してからその経験をどうしているか」。

つまり、大事なのは留学中の経験と、それを通じて得られた「考え方や行動」だ。こうした経験を得るには留学を決める前にまず、「自分が将来やってみたいこと」や「それを実現するために今の自分に足りないもの」を考えてみる必要がある。そのうえで、留学がそれを補う方法の一つだとしたら、留学を真剣に考えてみてもいいだろう。

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