「JXとの統合に反対」、東燃・中原元社長が激白

元トップが明かす石油業界再編への憂慮の念

東燃の元社長である中原氏は、経産省主導の国内石油業界の再編に対し、異論を唱える
石油業界では2015年、大型再編の発表が続いた。JXホールディングス─東燃ゼネラル石油と、出光興産─昭和シェル石油の二陣営だ。いずれも2017年4月に向けて経営統合を進める。
歴史的な再編劇を背後で主導したのは経済産業省。が、官主導で業界の寡占化が進むことに、東亜燃料工業(現東燃ゼネラル石油)元社長の中原伸之氏は警鐘を鳴らす。

 ──経産省は、設備廃棄を促すエネルギー供給構造高度化法(高度化法)や産業競争力強化法を盾に、石油業界再編を後押ししてきた。

業界は戦前から統制色が濃かったが、今のやり方はまったく時代と逆行している。高度化法は2010年の民主党政権時代に作られたもの。それを安倍晋三政権になり、経産省がいわば悪用し、高度に統制的なものにすげ替えてきた。

高度化法には罰則が設けられており、いちばん厳しい金融商品取引法並みだ。統制経済の思考で再編を進めたいだけだろう。経産省の手法は1963年の亡霊を思い出させる。当時は旧通商産業省が自動車などの産業保護のため、国際競争力強化法案を作ろうとした。その後、本田宗一郎さんの反対で特定産業振興臨時措置法案と名を変えたが、廃案になった。

今回は悲願の特振法が日の目を見たことになる。TPP(環太平洋経済連携協定)が世界経済の主流になる中、矛盾した動きである。

石油開発のINPEXに集約する動きも

──国内では石油元売り会社が3グループに集約されようとしている。

1960年代は成長産業を助ける名目だったが、今日では斜陽産業の石油業界を何とかしようとしている。足元では石油元売りや商社の持つ“水浸し”の上流権益を、準国策会社のINPEX(国際石油開発帝石)に集約しよう、という動きもあるらしい。

非常に驚くべき話で、既得権益の権限拡大を許せば、政治家の介入や官僚に対する饗応など、ずいぶん弊害が出る。INPEXやJOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)のトップは経産省出身者が多い。経産省が石油業界の一部のようになっている。何かしら、望ましくないような事態が起こるのではないか、といささか危惧する。

次ページ経産省の唱える「国際競争力」とは何か
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