静かな暴落が意味する「株式市場の終わり」

「セリングクライマックス」なき反発の怖さ

パニック売りを伴わない、静かな暴落が意味することは(撮影:尾形文繁)

今回は、セリングクライマックス(みなが悲観的になり大量の売り注文が出て、相場がアク抜けする状態)なしの反発は何を意味するのかがテーマだ。それは「恐怖と安堵」の両方であり、だからこそ危険なのだ。

ドラギ発言にすがった投資家たち

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1月21日のニューヨークの株式市場は、セリングクライマックスはなかったが反発した。まず欧州がECB(欧州中央銀行)ドラギ総裁の3月の追加緩和示唆で反発し、米国は原油在庫が予想を大きく上回って減少し反発。NY原油は4%とこの3カ月で最大の上昇となった。ただし、水準が下がっているので上昇と言っても29ドル台で30ドルを割ったまま。しかし、さらに大きく下げるかと思われたところでの反発だったので、センチメントに対して大きく安堵させる効果があった。

ドラギ総裁の記者会見の発言は、いつものリップサービス過ぎない。それをわかっていながら、どんな材料にもすがりたい投資家たちが飛びつき、買い戻しの流れとなった。ただし、3月にはまた失望することは目に見えている。今日上がった分は下がるだろう。もともと、今年の3月は危険な月。原油関連、シェールガス関連への銀行融資のロールオーバーが難しくなるのが3月末と言われており鬼門となる。警戒が必要だ。

一方、日本の株式市場だ。1月21日、セリングクライマックスではなかったが、極端な乱高下が起きた。日経平均は、18日19日と今年初めて2日連続の陽線が出現。20日の朝は300円を超える上昇で1万7000円台回復まであったが、その後一気に下落。終わってみれば632円安で、1日で1000円近い値動きとなった。

21日は大きく反発して始まり、一瞬の安堵があったのも午前高、午後からは一本調子の急落で日経平均先物は1万6000円ちょうどで取引を終えた。最後の乱高下は16時半以降の夜間相場で、先物は開始と同時のさらなる急落で1万5800円割れ、一転急騰し1万6200円へ。その後も乱高下し、米国の反発を受けて1万6400円水準に上昇して終えた。乱高下は仕掛けそのものだが、米国を受けての回復はウソでもいいから信じたい、というのが翻弄されている投資家側の心理だろう。

もう少し長いスパンで見ると、ここで一連の下げが終了し、乱高下をしながら戻っていくという可能性もある。セリングクライマックスのないまま暴落が終了するというのは、何を意味するのだろうか。

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