二面性を抱えて驀進する中国経済の懸念点

消費は有望だが、製造業は過剰設備が重荷に

1月17日、アジアインフラ投資銀行(AIIB)設立で就任会見を行った金立群総裁(写真:新華社/アフロ)

今年の新年会のごあいさつは、どこへ行っても同じような感じである。

「ええ、申年は『辛酉騒ぐ』と申しまして、何かと騒がしい年明けでございます」

そりゃそうだ。サウジアラビアとイランの断交あり、北朝鮮の核実験あり、インドネシアでもテロ事件があり、上海株式市場のサーキットブレーカーは年初から1週間に2度落ちた。これでは落ち着いて投資どころではない。

案の定、今週になって石油価格は1バレル30ドルを割り込み、2003年以来の安値を付けた。NYダウ平均は1万6000ドル前後まで落ち込み、日経平均も1万7000円台を大きく割り込んだ。さあ、いったい何が起きているのか。

今年注視すべき3つのポイント

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こういうときにありがちな「地政学的リスク」なんて説明は、予想が外れたエコノミストが使う便利な言い訳であるから、まともに受け止めるべきではない。中東がどうなろうが核実験があろうが、実体経済への影響などたいしたものではないはずである。

2016年の世界経済において、大事なことは3点だけだ。①石油価格の動向、②アメリカの利上げ速度、そして③中国経済の不透明性だ。この3点が、ぐるぐる回って互いに影響を及ぼしあっているのだから、ああ面倒くさい。

石油価格の下落については、前回の寄稿で詳しく述べた。今の安値が定着すると見ておくべきで、オイルマネーが慌てて世界の金融市場から引き揚げている様子が目に浮かぶ。それと同時に円高が進行中だ。これも「読みどおり」で、背景には貿易収支の急速な改善に伴う実需の円買いがあることをお忘れなく。

とはいえ、安い石油価格は実体経済にとってはプラスに働く。鉱物性燃料の輸入減少効果は、日本経済に「10兆円減税」に等しい効果をもたらすだろう。当分、石油価格の上昇がないと見れば、これは「恒久減税」に近いということになる。

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